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驚愕したガンバの新スタジアム。
募金140億円で作った“手づくり感”。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshio Ninomiya

posted2015/10/30 10:40

驚愕したガンバの新スタジアム。募金140億円で作った“手づくり感”。<Number Web> photograph by Toshio Ninomiya

視線の高さが変わらないこともあり、ピッチまでの距離は本当に近い。サッカー観戦はもっと面白くなる。

欧州14カ所を視察した“いいとこどり”の設計。

 そしてもう一つの大きな売りが「エコ」だ。

 屋根に設置されたソーラーパネルが電力を補い、照明にはLEDを使用。雨水タンクを設け、トイレ洗浄に利用するという。ピッチ管理を考えて、通気性の良いつくりにもなっている。なるべくコストを抑えられるようにという工夫が見えてくる。

 ガンバの担当者や施工担当者が欧州のスタジアムを計14カ所、視察してきたうえでの設計。特にモデルはなく、“いいとこどり”のオリジナルだ。またクラブハウス機能もスタジアム内に移設され、トレーニングルームやミーティングルームなどもある。練習グラウンドは隣接しており、スタジアム、クラブハウス機能、事務所機能を一カ所に集中させているのも理想的だと言える。

 災害時には防災拠点ともなる。備蓄倉庫機能を持ち、部屋数も多い。トイレ、風呂、シャワーの設備は地震などが起こった場合にも近隣住民に役立てるよう考えられている。

募金140億円で完成した、という事実。

 と、ここまでいろいろと書き連ねてきたが、この魅力的な新スタジアムが募金140億円で完成しているということを忘れてはならない。

 観客目線に立った施設の充実が優先順位の一番。とはいえ、トップチームへの愛情もしっかりと刻まれていた。選手たちにガンバの誇りを持って戦う意識を持たせる意味もこめて、ホームの試合用ロッカールームにはこだわったという。円形の部屋にして間接照明の入るつくり。個々のロッカーも格調高い木目調だ。だがその一方、コスト削減のためにクラブハウスの内装はコンクリートの打ちっぱなしにしている。

 デザインよりも機能性、利便性。オカネを使うところと使わないところのメリハリに手づくり感があった。

【次ページ】 寄付者のネームプレートがスタジアム内に。

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