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強豪相手にお約束の第3セット失速。
男子バレー、急速な成長と高い壁。
posted2015/09/30 10:40
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
KYODO
ラグビーに続き、男子バレーも金星か――。そう期待を抱かせる最後の2試合だった。
バレーボールのワールドカップ男子大会。5勝4敗で迎えた第10戦の相手ポーランドは、世界ランキング3位で、昨年の世界選手権王者だ。
その相手に、日本は第1セット序盤から攻めまくる。
今大会で世界レベルの実力を証明した19歳のエース、石川祐希(中央大2年)の2連続サービスエースなどで先行。すると、サーブを武器とする23歳、柳田将洋(サントリー)も、負けじと強烈なサーブでポイントを奪い11-7とリードを広げた。
今大会、ベストサーバーランキング5位となった柳田は、「僕がサーブで攻めることができれば、どんな相手も、普通のチームになる」と自負する。
終盤、ポーランドに追いつかれるが、最後は柳田がサーブで崩してチャンスを作り、石川がスパイクをたたき込んで26-24で、世界王者から第1セットを先取。普段は柔和な表情の石川が、気合いをみなぎらせてカッと目を見開き、柳田の背中をドンドンとたたいてねぎらった。
日本が3セット目に失速するのはなぜか。
日本は勢いそのままに第2セットもリードするが、終盤に逆転され、今度はデュースの末にセットを落とした。
すると第3セット、日本はレセプション(サーブレシーブ)が崩れだし、サーブミスが続く。
レセプションが崩れても、スパイカーが相手ブロックに当ててリバウンドを取ったり、相手が不利になる場所に返して、直接失点を避ける、というチームの約束事があるのだが、劣勢になると打ち急ぎ、ミスをしたり相手ブロックのえじきになった。
結局日本は立て直せず、3、4セット目を奪われて逆転負けを喫した。
3セット目の失速。これは今大会、強豪との対戦でたびたび見られた光景だった。2セット目までは互角、あるいはそれ以上の展開を見せるが、3セット目に崩れてしまう。
その原因として選手たちが挙げたのが「集中力」や「精神的なスタミナ」だ。