甲子園の風BACK NUMBER
写真家・杉山ヒデキが選ぶ
「第97回夏の甲子園」。
text by
杉山ヒデキ(文藝春秋)Hideki Sugiyama
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/09/20 11:00
東海大甲府戦、5回にタイムリーエラーを喫してしまったセカンド富田直希に対し清宮幸太郎はローラばりのOKポーズ。「次の打席で僕がまたホームランを打つからオッケーっすよ」とでも言っているのだろうか。
中京大中京のエース・上野翔太郎と関東一高の正捕手・鈴木大智。中学時代にバッテリーを組んでいた2人の対決が甲子園で実現。0対0で迎えた7回裏の好機に鈴木はファウルで粘るも12球目を空振りの三振。上野は渾身のガッツポーズを見せた。
高校生離れした走塁と守備に注目が集まったオコエ瑠偉。バッティングの方はいまひとつとの評価だったが、準々決勝、試合を決定づける本塁打を放ち雄叫びをあげながらバットを放り投げた。
決勝戦、東海大相模のエース・小笠原慎之介は再三のピンチを背負うが交代の気配はない。豊富な投手陣を擁する東海大相模の門馬敬治監督も最後はエースと心中する気持ちだったのだろうか。結果的にその采配が小笠原の決勝本塁打を呼んだ。
夏の甲子園閉幕後、U-18野球ワールドカップでも活躍した球児たち。残念ながら決勝戦でアメリカ代表に負けましたが、世界の同世代球児たちと切磋琢磨した手に汗握るプレーは、また高校野球とは違った興奮を私たちに与えてくれました。
毎年生まれては巣立っていく甲子園のヒーローたち。来年は果たしてどんなドラマ、熱闘を見ることができるのでしょうか――。
毎年生まれては巣立っていく甲子園のヒーローたち。来年は果たしてどんなドラマ、熱闘を見ることができるのでしょうか――。