野ボール横丁BACK NUMBER
早実の試合を100倍楽しく見る方法。
予想は裏切られる、サプライズを待て!
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/08/18 12:40
清宮幸太郎は、桑田真澄以来となる1年生での2本塁打でますます注目が集まっている。早稲田実業の強さと脆さ、準決勝ではどちらが出るのだろうか。
普通に考えれば、仙台育英が一枚上手だが……。
準決勝での対戦が決まった仙台育英の佐々木順一朗監督も言った。
「もともとは、地方大会の決勝で奇跡を起こして勝ち上がってきたチーム。打線はものすごいですけど、地方大会であれだけエラーをしているチームですよ。彼らを慌てさせるようなゲームをしなければいけない」
警戒しながらも、やはり穴はあるチームだという見方である。この見立てが、どうでるか。
仙台育英は昨秋の明治神宮大会の覇者でもある。佐藤世那という大黒柱もいる。データ、実績から行けば、仙台育英が一枚上のように見える。
一方で、成長著しい高校生の大会において、そうした過去のデータはさほど参考にならない気もする。常に発展途上にある早実のようなチームの場合は、なおのことだ。穴がありながらも、それでもここまで勝ち上がってきたということは、早実にそれだけの底力と勢いと、日々の劇的な成長があるのだとも言える。
いや、しかし、考えるのはここまでにしておこう。早実の試合だけは、予想通りになったためしがない。
明日はどんな「サプライズ」を見せてくれるのかを楽しみにしつつ、虚心坦懐に眺める。それが早実戦を100倍楽しく見る方法である。