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新星サニブラウンに世界1位が驚愕!
ボルトに似た「お祭り男」の夢は? 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byAFLO

posted2015/07/30 10:50

新星サニブラウンに世界1位が驚愕!ボルトに似た「お祭り男」の夢は?<Number Web> photograph by AFLO

もちろん引き締まってはいるが、シニア選手に比べればサニブラウン・アブデル・ハキームの体はまだまだ細い。ここに筋肉がついてきたとき、どれだけの速さで走るのだろうか。

「世界ユースで2冠をとるのが目標です」

 5月というのに、じりじりと日差しが照りつける下、その少年はそう口にした。

 サニブラウン・アブデル・ハキーム。

 16歳の少年は南米コロンビアでこの夏、大きな花火を打ち上げた。18歳未満の選手が出場する世界ユース陸上の100mと200mの2種目で、大会新記録を叩き出して優勝。200mで出した20秒34は、『あの』ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が2003年に出した大会記録20秒40を上回る快挙。そして8月の北京世界陸上の参加標準記録(20秒50)を大幅に破ったほか、日本陸連が定める派遣設定記録20秒28に迫る記録だった。

「絶対に2冠を取りたい」

 幼さが残る表情で話していた少年は、その目標をあっさりと達成した。

シニア1位ガトリンがサニブラウンの走りに大興奮!

 実はサニブラウンは、大会前からユース世界ランクでは100m、200mともにトップにいた。しかしユースやジュニアの世界では「一発ひっかけて」ランク上位にいる選手も多いため、大会前はほとんど注目されていなかった。

 それだけに、世界ユースでのサニブラウンが見せた名刺代わりのレースが痛快だった。大会初日100m予選でフライング警告を受けながらも、仕切り直したレースで10秒30と従来の大会記録を0秒01更新する快走。そのタイムと強心臓ぶりが関係者を驚かせた。

 決勝ではさらに記録を伸ばし、10秒28(-0.4)でまず1冠目を獲得。大会前に「10秒31の大会記録を破りたい」と目標を口にしていたが、まさに有言実行の形になった。

 シニアで今季世界1位、北京世界陸上の金メダル候補のジャスティン・ガトリン(米国)は100mのレース翌日、「日本のブラウンくん、すごいね! ビデオで見たよ。ユースの走りじゃないね。僕は16歳のときなんて10秒5くらいだったよ!」と興奮した面持ちで話していた。

 名字をまちがわれたのはご愛嬌だが、それだけ世界の関係者を驚かせる走りだったということだ。

【次ページ】 大舞台でも、終盤に流して外側レーンを狙う余裕。

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