JリーグPRESSBACK NUMBER
山口蛍が“らしさ”を取り戻すために。
J2に慣れず、モノ言うリーダーへ!
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/07/28 10:50
今季のJ2は大宮が独走しているが、2位のジュビロと3位のセレッソの勝ち点差は現在3。毎年プレーオフでは激しい戦いが繰り広げられており、自動昇格の2位がやはり焦点になる。
山口も橋本とのコンビに満足そうな表情を。
山口のプレーは、どうだったか。
橋本とともにボランチに入った山口は、ユース時代からの仲間で阿吽の呼吸の扇原貴宏と組んだ時とは若干異なり、より意識的にチームプレーに徹していた。たとえば橋本が前の選手にアタックする場合は、山口はカバーに回る。ともすればその「基本」は忘れがちになるが、この日の中盤はしっかりと機能していたのである。
「蛍との関係は徐々に良くなっている。蛍がかわされたら僕が取りに行ったり、僕がかわされたら蛍がフォローしてクリアーしたり。一人でボールを取り切れなくても次で取ってそれをカウンターに繋げるとか、そのまま前にいくとか、そういう型を増やしていければもっといい感じでやれる」
橋本がある程度の手応えを感じているように、山口も「今日はハッシーさんにかなり助けられたけど、うまくバランスが取れていたと思います。あとは2人でもうちょいボールを繋いで、ゲームを作ることができればいいかなって思います」と、攻撃面での課題はあるが、コンビに満足そうな表情を見せた。
山口「今は自分のコンディションが落ちてきている」
山口自身のプレーも、横浜FC戦の時よりもプレースピードが上がり、持ち味の迫力あるボール奪取の回数も増えた。ただまだ出足は好調時ほどではなく、攻撃に絡む回数も少ない。磐田戦は押し込まれた状況が続いたとはいえ、“らしさ”は完全に戻っていない。
「シーズンの最初はケガから戻ってきたばかりだったんで、慣らしていくことが重要だった。そして試合をこなすごとに、ちゃんと自分のコンディションも徐々に上がってきていた。
でも今は、自分のコンディションが落ちてきているのかなって思っています。走れていないとかじゃなく、ボールのフィーリングとか1歩の出足が遅いとか……。今まで出来ていたことの完成度が落ちているし、出来ていない。疲れているのかもしれないけど、そこはちょっと変えていかないとといけないと思いますが、いろんな意味で難しい時期に来ているのかなって思います」