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岡田彰布が語るリーグ後半戦の阪神。
~カギを握るのはキャッチャーだ~
posted2015/07/27 11:40
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「野球の神髄~岡田彰布の直言~」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
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今週の目次
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【1】 後半戦最初の巨人戦を勝ち越して、阪神が首位に!
~真夏のカギを握るのはキャッチャーだ~
【2】 亀井善行が巨人の第84代4番打者に……。
~4番打者がチームに与える影響とは~
【3】 読者の質問に「そら、答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
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【1】 後半戦最初の巨人戦を勝ち越して、阪神が首位に!
~真夏のカギを握るのはキャッチャーだ~
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──セ・リーグはDeNAが首位で折り返しましたが、後半戦初っぱなの3試合を終えた7月22日時点の順位は、1位が同率……といっても勝率5割のトントンで阪神とヤクルト、3位以下が巨人、DeNA、広島、中日の順。6チームが4ゲーム差内にひしめいています。
岡田:もうなあ……ここまで混戦になるとは思ってなかったよなあ。
──DeNAは序盤戦の勢いが凄かっただけに、その反動も大きかった。
岡田:DeNAと巨人が交流戦で大きく負け越して、セ・リーグで貯金ができたのは阪神だけだったからなあ……。これが今の混戦を招いたわけやけど、阪神もコケてたら大変なことになってたよな。
──阪神のカギは外国人選手が握ると岡田さんは仰っていましたが、前半戦は調子が出なかったマートン、メッセンジャーがようやく本来の実力を発揮し始めた感があります。
岡田:ちょっと遅すぎたけどなあ……。ホンマ、ようやくだよな。
──外国人選手だけでなく、もちろん日本人選手にも頑張ってもらわないといけません。ベテランの福留が好調を維持していますが、岡田さんは後半戦のキーマンは誰だと思います?
正捕手が固定できれば理想的だが……。
岡田:やっぱりキャッチャーだよな。これから暑くなってきて、ピッチャーも疲労が溜まってくるやろ。球威も落ちてくるけど、リードでカバーして失点を減らさないとアカンわけよ。ポイントはそこよな。
──今年の阪神は失点数がリーグ最下位。得点よりも失点のほうが多い。
岡田:ホンマ極端だよなあ。中継ぎが大崩れする試合も目立ったけど、後半戦はそういう試合をなくさないといけないわな。中継ぎがもっとしっかりせなアカンというのもあるけど、やっぱりポイントはバッテリー。特にキャッチャーだと思うよ。
──しかし、阪神は正捕手と呼べる存在がいない。現状は鶴岡と藤井が交代でスタメン、梅野や小宮山が途中からマスクを被るという状況です。
岡田:ピッチャーだけでなくて、キャッチャーもローテーションになっとるもんなあ。ホンマは正捕手が固定できれば理想的やけど、このメンバーでは厳しいよ。
──ベテランの鶴岡、藤井は体力面に不安があるし、若手の梅野や小宮山はキャッチングやリードの面で心許ない。岡田さんが阪神を指揮していたときには矢野燿大という正捕手がいました。粘り強いバッティングもありましたし。
岡田:そうなんよ……。鶴岡、藤井クラスの打撃成績だと、試合終盤の競っている場面、1点差、2点差で負けているという場面では代打を出すケースがある。
そのせいでキャッチャーがいなくなって、9回の大事な局面で小宮山を使わざるを得ない状況も出てくるわけよな。いちばん大事な9回を小宮山に任せるのは、そら不安はあるよな。