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香川真司の「数字と日常」を学ぶ。
ドルトムント・丸岡満、19歳の転機。
posted2015/07/24 10:50
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
「さぁ、ゴールを決めてくるんだ!」
ドルトムントのトゥヘル監督が一挙に8人の選手交代の準備を進める。
7月17日のボーフムとのテストマッチ、後半15分すぎのことだった。2部に所属する格下相手に2点のビハインドを喫している状況で、トゥヘル監督は丸岡満を呼び止めて肩をつかみ、そう声をかけた。
交代で右MFに入った丸岡は、積極的な姿勢を見せる。後半25分、ボールを受けたカンプルが前を向くと、右サイドから中央方向に飛び出す。DFラインの背後でパスを受けて左足でシュート。しかし、これはGKにブロックされてしまった。19歳のアタッカーは悔しそうな表情を浮かべた。
丸岡は後半38分にもバイグルのパスを受けて、エリアに入ってすぐのところでシュートを放ったが、これもDFがブロック。
結局この試合でゴールを挙げることはできなかったものの、積極的にボールを呼び込んだことで、30分あまりの出場で計3本のシュートを放った。
「今シーズンは点を取って、結果を残すだけなので」
限られた時間の中で丸岡が積極的なプレーを披露した理由は、トゥヘル監督からのメッセージだけではない。
今年の7月にセレッソ大阪からドルトムントへのレンタル期間を1年延長した丸岡には、断固たる決意があった。
「今シーズンは点を取って、結果を残していく。本当にそれだけなので。(セカンドチームが戦う)4部リーグであっても、トップチームであっても、ゴールにこだわりたいです。点を取れば、トップチームの監督にも情報がいったり、記録などで残りますし。そういう形でトップにアピールできればいいですね」
ボーフム戦では、そんな丸岡の意志を象徴するシーンがあった。