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球宴ファン投票で最多得票の19歳。
西武・森友哉のフルスイング理論。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/07/03 16:40
今季は主にDHでフル出場しており、すでに13本塁打(7月2日現在)を記録している。
森が答えた、一軍と二軍の投手の違いとは?
公式戦のない練習日だけに、この日の森には、テレビ、新聞、雑誌など30分刻みで取材が入っていた。インタビュー場所に来た彼に、疲れはないのかと尋ねると、
「多少の疲れはないとは言えないですね」
とニコッとはにかんだような笑顔で答えてくれた。バッターボックスでの鋭い眼光とはうって変わって、その笑顔はいかにも十代の若さを感じさせた。
昨季は41試合92打席にとどまったが、今季はフル出場を果たしている。一軍の投手が投げる球にも慣れたことだろう。
「ピッチャーの質は一軍と二軍では違いますね。一軍では打てないコースがあると、そこをドンドン攻めてきますし。データも細かく出ているので、それに基づいた配球もされますので、そのあたりはすごいなと感じますね」
「いえ、ホームランは狙っていないですね」
それでも、常にフルスイングで臨んでいる森。巧妙に配球してくるピッチャーに対して、ボールに合わせるようなスイングをすることはないのだろうか。
「ありますよ。場面や状況に合わせて、当てにいくということはあります。それでも、形の上ではフルスイングをする。追い込まれてからでも、フルスイングという形は変わらないですね」
そこまでフルスイングにこだわっているのは、やはりホームランを狙っているからなのだろうか。
「いえ、狙っていないですね。何なんですかね。高校のときからずっとフルスイングしてきましたけど、自分の中ではフルスイングといっても大振りをするのがフルスイングじゃないと思っているんです。いかにコンパクトにスイングできるかです」