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成績と投票数の乖離が大きいセ。
オールスター中間発表に見る“迷い”。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/06/25 11:50

成績と投票数の乖離が大きいセ。オールスター中間発表に見る“迷い”。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

DeNA打線の中軸を担い、オールスター中間発表・最終回ではセ・リーグ三塁手1位となったバルディリス。ただ実は、今季の成績は今ひとつ。球団自体の人気が投票結果に繋がっている。

DeNA梶谷「パ・リーグの投手のほうが球が速かった」

 話をオールスターのファン投票に戻すと、最終中間発表でセがパ以上に納得のできない結果になったのは、ファンに迷いがあったからではないのか。捕手部門は知名度の高い阿部、谷繁元信(中日)が2、3位、一塁手部門は新井貴浩(広島)、井端弘和(巨人)が1、2位を占めている。成績上位でも名前を聞いたことがない若手より、知名度の高いベテラン選手に投票して球宴を楽しみたい――つまりセ・リーグの現状に“妥協”した結果と言えないだろうか。

 最近話を聞く機会があったDeNAの梶谷にセとパの違いを聞くと「パ・リーグの投手のほうが球の速いピッチャーが多かった」と断言した。

 また、好球必打の姿勢にもパとセの差はある。私は5月中旬以降、ストライクを見逃すことが少ないチームの勝率が高い、という仮説をもとに試合を見ている。それによるとプロは5勝2敗(.714)、アマは29勝12敗(.707)と見逃しの少ないチームの勝率が圧倒的に高い。私が見た交流戦6試合ではパの好球必打ぶりが目立ち、この傾向を西武の中村剛也に聞くと、「それはあるかもしれないですね」と話してくれた。

セの野球は「緻密」か「地味」か。

 投手のボールの速さも打者の好球必打も、ファン(観客、TVの視聴者)が簡単に見分けることのできる価値基準である。そういう野球のわかりやすさで、パはセの上を行っている。セの野球は緻密と言われるが、「緻密」という評価は勝ってこそ初めて価値の出るもので、パに交流戦、日本シリーズで負けることの多い現状では、「地味」とか「暗い」というネガティブなイメージに直結してしまう。オールスター最終中間発表の首をかしげる投票結果は、ファンのセ・リーグに対する迷いを表していると言っていいと思う。

 今年のオールスターゲームは7月17日が東京ドーム、18日が広島の本拠地、MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島で開催される。ここでセ・リーグには交流戦で大敗した悔しさをぶつけてほしい。

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