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バレロンがリーガ1部に帰ってくる!
古巣ラスパルマスを昇格させた英雄。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2015/06/24 16:30

バレロンがリーガ1部に帰ってくる!古巣ラスパルマスを昇格させた英雄。<Number Web> photograph by AFLO

アトレティコ・マドリーやデポルティーボで華々しいキャリアを送ったフアン・カルロス・バレロンのキャリアは、ラスパルマスで始まったのだ。

 努力が報われないときもある。

 それは仕方がないとしても、報われないのが身内のせいだとしたら残酷だ。

 今季のエルチェは20クラブ中、下から数えた方が早い戦力で1部残留を勝ち取った。当の選手たちの並々ならぬ努力と監督エスクリバの知恵、それからファンの熱い応援の賜物だ。

 ところが最終節から約4週間経った今月15日、リーガはエルチェの2部降格を確定した。

 理由は昨季もペナルティの対象となった国税局に対する債務が「依然支払われておらず、支払期限の延期合意もなく、支払い保証もされていない」から。

 エルチェはもちろん抵抗し、アンギッシュ会長は国税局とは交渉済みであることをアピールしている。今後はスポーツ行政裁判所に提訴するようだが、選手への給与支払いも半年以上滞っていることから、現状では“逆転残留”は難しいと見られている。

 クラブの失態が、ずっと頑張ってきたチームやファンの足を引っ張る好例だ。

1960年代には一部の常連だったが……。

 一方で、役員と現場が力を合わせて長年の悲願を叶えたクラブもある。

 13年ぶりの1部昇格をドラマチックに果たしたラスパルマスである。

 アフリカ大陸モロッコの西に位置するスペイン領カナリア諸島内のグラン・カナリア島を本拠とするラスパルマスは、「島のクラブ」という不利を抱えながら1949年の創設当初から強く、'60年代半ばには1部の常連となっていた。'68-'69シーズンにはレアル・マドリーとバルサの間に割って入っての2位を記録しており、リーガ87年間の通算ポイントランキングでは19位に位置している。

 ところが国内の大半の中小クラブ同様、前世紀末にかけて財政を悪化させると、2002年の2部降格と資本増強失敗で致命的なダメージを負い、クラブ解散の危機に。

 そのときは何とか持ちこたえたものの、2部Bに降格した'04年の11月にはサッカークラブとしてはスペイン初となる破産法適用を申請せざるを得なくなってしまった。

 再スタート後は地元の企業家ミゲル・アンヘル・ラミーレスが会長に就任し、'05年には2部復帰。その後も少しずつ着実に状況は改善されていったが、幸運に恵まれてばかりというわけではなく、昨季は昇格プレイオフ決勝戦第2レグの90分過ぎまで握っていた1部行き切符を、93分の失点でコルドバに奪われている。

【次ページ】 ラミーレス会長「これで安心して死ねる」

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フアン・カルロス・バレロン
ラスパラマス

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