なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
なでしこ3連勝も深刻な攻め手不足。
決勝Tへ、光明は岩渕真奈の復帰。
posted2015/06/17 12:00
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
Getty Images
カナダ女子サッカーW杯は現地時間16日にグループリーグ第3節の4試合が行われ、すでに2連勝で決勝トーナメント進出を決めていた日本代表「なでしこジャパン」がエクアドルに1-0と勝利。この結果、なでしこは目標としていたグループ首位通過を確定させた。
エクアドルは第1戦でカメルーンに0-6、第2戦でスイスに1-10と大敗していたことを考えても他チームとの実力差は大きい。それだけに、この試合はなでしこにとって試合前から勝敗というより、どう決勝トーナメントにつなげていけるかというチームマネジメントがポイントとされていた。
初戦のスイス戦、続くカメルーン戦と勝ち点3は手にいれているものの、いずれの試合でも終盤は自滅気味に相手に流れを持っていかれている。課題は、いかにして90分を戦い抜くか、そして、シュート自体が少なく展開力にも乏しい攻撃面をどう修正できるかというものだった(第2戦のカメルーン戦ではボール支配率で57%と上回り2-1と勝利したものの、シュート数は日本の4本に対し、カメルーンは20本だった!)
グループリーグで全23選手を出場させられたが……。
エクアドル戦の試合会場となったウィニペグは、1、2戦の舞台となった西海岸のバンクーバーから内陸部へ約1200キロの都市で、時差もバンクーバーからマイナス2時間ある。
佐々木則夫監督が事前の会見で「不出場の選手をなくしたい」と話していたように、GKを3試合連続で入れ替えたほか、センターバックに北原佳奈、ボランチに田中明日菜といずれも今大会初出場の選手を先発させている。試合終盤にはMF永里亜紗乃と右ひざのケガで調整が遅れていたFW岩渕真奈を投入するなど、グループリーグの3試合で23選手全員を起用することができた。
ただ、2試合で16失点を喫していたエクアドルから1点しか奪えなかった事実を見ても、その内容は決して称賛できるものではなかった。いくら指揮官の佐々木監督が「(攻撃の)形としては、そこそこできていた。流れの中ではいい場面もあった」と言ったところで、得点シーン以外で相手が肝を冷やしたシーンは数えるほどだった。