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なでしこ3連勝も深刻な攻め手不足。
決勝Tへ、光明は岩渕真奈の復帰。
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byGetty Images
posted2015/06/17 12:00
代表合宿でいためた右脚にはテーピングが巻かれているが、それでも岩渕真奈はキレのある動きでチームに活力を与えた。
大儀見も認めた、岩渕との新たな攻撃の形。
短い時間ではあったものの、岩渕とコンビを組んだ大儀見は、こう言って彼女の復帰を歓迎した。
「動き出しも早いし、次にどこにいればいいかもわかっているので、こっちも1タッチで入れられる。(2人のワンツーについて)あそこでドリブルがあるから、自分も相手の最終ラインと駆け引きして裏に抜けたり、絡むことができる。ああいう崩しはいままでなかったので、1つの攻撃の形になると思う」
初戦のスイス戦の途中で安藤梢が負傷して以降は大儀見と菅澤が2トップを組んできたが、プレーエリアが被るシーンも少なくなく、なかなかいい形ができなかっただけに、岩渕の復帰は光明といえる。
そして、この日は右サイドのMFに入った永里も本来はFWの選手だけに今後の勝ち上がり次第では出場機会が増すかもしれない。
決勝T初戦はオランダかタイかフランスか……。
決勝トーナメント1回戦の相手は、明日17日(日本時間18日)に決まるが、グループA3位のオランダかB3位のタイ、もしくはF3位(フランスやイングランドの可能性もある)となる。
次戦までは中6日と空くが、本当の勝負はここから。グループリーグでは対戦相手に救われた感もあっただけに、ここからどう調整するのかが注目される。3連勝の中で浮き彫りとなった課題を克服し、連覇に向けてギアが上がるのか。はたまた、失速気味のまま帰国の途に就くことになるのか――。