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名牝への関門、ヴィクトリアマイル。
距離短縮はヌーヴォの死角となるか?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAFLO
posted2015/05/16 08:00
これまで10戦して8回連に絡むという安定感を誇るヌーヴォレコルト。連を外した2戦がともに1600mであるが……。
歴史的名牝も取りこぼしたこのレース、逆転候補は?
ヌーヴォで絶対、と言いたいところだが、ウオッカやブエナビスタといった歴史的名牝でさえ、このレースでは一度負けている。
逆転候補の一番手は、秋華賞でヌーヴォを下してGI初制覇を遂げたショウナンパンドラ(4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)か。休み明けの前走、大阪杯は、勝ったラキシスに12馬身も突き放されるドカ負けだったが、騎乗した浜中俊も高野調教師も「敗因はタフなコンディションとなった馬場」と口をそろえる。その疲れをとり除き、本来の活力ある走りに戻った今回は好勝負になりそうだ。
東京の長い直線で生きる爆発力となると、ディアデラマドレ(5歳、父キングカメハメハ、栗東・角居勝彦厩舎)が一番かもしれない。
前走、7着に敗れたマイラーズカップでは出脚がつかず、離れた最後方からのレースになったが、ラスト3ハロン31秒9という驚異的な上がりで、直線では1頭だけ飛んでいるかのような伸びを見せた。道中は死んだふりをして直線勝負に賭け、前をまとめてぶっこ抜く――というシーンは充分あり得る。
総合力の高さが光る、昨年皐月賞出走のバウンスシャッセ。
総合力の高さという点では、バウンスシャッセ(4歳、父ゼンノロブロイ、美浦・藤沢和雄厩舎)もかなりのものだ。昨春は果敢に皐月賞に挑戦し、着順こそ11着だったが、勝ったイスラボニータから4馬身しか離されなかった。次走のオークスではヌーヴォとハープスターに次ぐ3着。その後、函館記念16着、紫苑ステークス12着、秋華賞7着、愛知杯8着と不振がつづいたが、前走の中山牝馬ステークスを勝って見事に復活した。
勢いでは、1000万下、準オープン、阪神牝馬ステークスと3連勝中のカフェブリリアント(5歳、父ブライアンズタイム、美浦・堀宣行厩舎)だ。近親に2011、12年のマイラーズカップを連覇したシルポートがいる。良血が一気に花ひらくか。