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数的不利でビルドアップするバルサ。
GKテア・シュテゲンが可能にする事。
posted2015/05/15 10:40
text by
岩本輝雄Teruo Iwamoto
photograph by
AFLO
「このカードは、何があっても現地で見る!」
CL準決勝でバルセロナとバイエルンが対戦すると決まった瞬間、そう心に誓いました。パリSGとの準々決勝で格の違いを見せつけたバルセロナに対して、そのベースを作ったと言えるグアルディオラ監督のバイエルンがどのような戦いを見せるのか――。
ロッベン、リベリーなど、怪我人の多いバイエルンがベストメンバーを組めない状況ではありましたが、それでも今季のハイライトになると思ったのです。
スペインでの第1戦から見に行くつもりでしたが、第2回AKB48グループドラフト会議の仕事が入ったため、第2戦だけを見に1泊3日でドイツへ飛びました。「アウェーでの第1戦に0-3で敗れたバイエルンが勝ち上がれる確率は4.8%」と言われていましたが、それでも“世紀の一戦”の結末を、自分の眼で確かめたかったのです。申し遅れました、フットボールトラベラーの岩本輝雄です。
バルセロナのゲームプランは「守備に専念」。
第1戦で大量3点リードを奪ったバルセロナにとって、この一戦は「いかに守るか」がテーマだったと思います。
いつものように高い位置からプレッシングをかける戦い方を選択すれば、裏を突かれて失点を重ねるリスクが高まる。ホームでの第1戦でバイエルンに3-1で勝利しながら、アウェーでの第2戦を1-6で落として準々決勝で大会を後にしたポルトの二の舞だけは、ルイス・エンリケ監督は避けたかったのでしょう。
立ち上がりのバルセロナは明らかに、「守備に専念」という感じでした。開始7分に先制点を許し、多少のゲームプランの修正を余儀なくされたところはあると思いますが、まずは守備を固めるスタイルを徹底。お家芸のポゼッションサッカーとは異なるものの、メッシ、スアレス、ネイマールの速さを活かすカウンターにも凄味を感じました。
いかに守るか、がテーマだったバルセロナにおいて、僕が特に感心したのはGKテア・シュテゲンのプレーぶりと、バイエルンが仕掛けてきたプレッシングのかわし方です。