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桜花賞不出走の快速牝馬が登場。
気鋭のトレーナーが挑むNHKマイルC。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/05/09 08:00
5枠9番に入ったアルビアーノ。府中のマイルは未経験だが、大一番でも持ち前のスピードを見せつけることができるだろうか。
「管理馬が出るすべてのレースを勝ちたい」
「管理馬が出るすべてのレースを勝ちたいという気持ちでやっています。いつかはリーディングを狙えるようになりたいし、ダービーを勝って当たり前、種牡馬になる馬をつくって当たり前と言われる調教師を目指したいと思っています」と話してくれた彼に初めての重賞タイトルをもたらしたのが、このアルビアーノだ。
これだけコロコロ鞍上が替わる時代にあって、デビューからずっと柴山雄一が手綱をとっている。人馬の結びつきをしっかりさせた馬が最後のつばぜり合いで鼻や頭だけ前に出ると思う……と言ったのは角居勝彦調教師だが、このコンビに関しても、そうだと信じたい。
フラワーカップで3着に負かしたディアマイダーリンがその後フローラステークスで2着、4着のロッカフラベイビーがスイートピーステークスで3着となるなど、レベルの高いところで結果を出してきたことは間違いない。
ここを勝つチャンスは充分あるし、心情的にも勝ってほしい、と思う。
朝日杯FS2着のアルマワイオリの末脚も魅力。
飛び抜けた馬がいないぶん粒揃いで、相手選びに迷ってしまうのだが、牡馬にとっては世代最初のガチンコ勝負である朝日杯フューチュリティステークスで2着となったアルマワイオリ(牡、父マツリダゴッホ、栗東・西浦勝一厩舎)の末脚には、ここで頂点に立っても不思議ではない破壊力がある。
デビューからずっと左回りばかり使われている良血アヴニールマルシェ(牡、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)も争破圏にいる。祖母は桜花賞馬キョウエイマーチ。前走の共同通信杯から距離が1ハロン短くなるのは大歓迎だろう。
これを新潟2歳ステークスで負かしているのがミュゼスルタン(牡、父キングカメハメハ、美浦・大江原哲厩舎)だ。骨折による長期休養明けとなったスプリングステークスを叩いた上積みは大きい。