2位でも、マンCのペジェグリーニは「最低」候補。

　2位を争うマンCのマヌエル・ペジェグリーニは、今季の「最低」候補に名を連ねてもおかしくない。チーム全体と守備のリーダーであるバンサン・コンパニの低調が影響したとはいえ、攻撃に意識が偏ってリードを守れずにポイントを落とした。元日の第20節終了時点では首位に追いついていながら続く4カ月間で10ポイント差をつけられた背景には、好みの4-4-2システム採用が仇となって計3失点でバルセロナに敗れたCL16強敗退後に、主力のモチベーション低下を防げなかった指揮官の落ち度があったように思える。

　マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファンハール監督は、最終的に4位止まりでも、就任1年目にして昨季7位からのトップ4返り咲きを実現したことになる。ファンの不興を買ってもロングボールを織り交ぜてポイント獲得を狙った実利主義、ラダメル・ファルカオやアンヘル・ディマリアにもベンチスタートを強いた実力至上主義は立派なものだった。

　しかし、威厳たっぷりの就任会見で「優勝」の2文字も口にし、ファンもメディアも「ひょっとしたら」とその気にさせて開幕を迎えていただけに、デイビッド・モイーズ前監督下の昨季を下回る「過去最悪」の滑り出しからのトップ4争い復帰は、最低限のインパクトでしかない。

降格候補の監督が最優秀監督!?

　逆にメディアでは、年間最優秀監督に降格候補の指揮官を挙げる声もある。最下位で5月を迎えるバーンリーのショーン・ダイシだ。たしかに、2008年にダービーが記録した11ポイントというプレミア史上最低のポイント数記録を更新して1年で降格すると言われたバーンリーは、その2倍以上のポイントを獲得して、シーズン最終月まで自力残留の望みを繋いでいる。だが、低すぎた想定に対する予想外を以て「最優秀」と呼ぶのは憚られる。

　下位勢の監督からは、アストンビラのティム・シャーウッドを推す声もある。今年2月後半に就任した新監督は、「ここはビッグクラブだ」と繰り返し発言することで、下位扱いに慣れかけていたチームとファンを奮起させた。

　残留確定は5月に持ち越されることになったが、準決勝でリバプールを下して15年ぶりのFAカップ決勝進出を実現してもいる。しかしながら、アストンビラでの現職はまだ3カ月目。昨季受賞者ピューリスの半分でしかない任期での評価は、他の監督連中に不公平というものだ。

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