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PK“6連続セーブ”に“阻止率83%”。
インテルの異能GK、ハンダノビッチ。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/04/29 11:00

PK“6連続セーブ”に“阻止率83%”。インテルの異能GK、ハンダノビッチ。<Number Web> photograph by AFLO

今季はセリエA、そして出場したELでもPKストップを記録しているハンダノビッチ。憧れのGKはブッフォンとシュマイケルだという。

パリュウカ「私の記録を抜くのも時間の問題だろう」

 今年4月のベローナ戦での1本が加わり、ハンダノビッチのセリエA通算PKセーブ数は21本になった。

「彼が止めるPKには、決勝点のゴールに匹敵する価値がある。私の記録を抜くのも時間の問題だろう」

 インテルのOBであり、'90年代を代表する世界的GKだったジャンルカ・パリュウカは、「通算PKセーブ24本」というセリエA歴代最多個人記録を保持している。パリュウカは、後輩ハンダノビッチの恵まれたフィジカルとシュートへの反応速度を称えながら、情報戦となった現代のPK戦を分析する。

「我々の時代は、もっと本能とか直感まかせだった。今は、対戦相手のPKキッカーを徹底的に研究するようになっている」

 通常、チームごとのPKキッカーは決まっている。今季のユベントスならFWビダルかFWテベス、ミランならFWメネズといった具合だ。キッカーを予測できれば、蹴った方向やキックの強弱、助走のステップ数から視線の動きまでの過去のデータを頭に入れておくことで、精度の高い読みが可能になる。だが対策を立てることはできても、GKにそれを遂行できる実力がなければ意味がない。

物憂げな表情と、強烈な上昇志向。

 パリュウカのセーブ記録は、彼が19シーズンをかけて、歴代3位にあたる592試合に出場しながら積み上げたものだ。ハンダノビッチは、その半分にも満たない実働8シーズンで、大記録に追いつこうとしている。

「ゴールキーパーのプレーには、見た目より随分難しいセーブもあれば、とんでもないイレギュラーバウンドで方向が変わってどうにもできない、というときもある。俺は自分にできるベストを尽くすだけ」

 無失点に抑えたベローナ戦の後も、ハンダノビッチは眉をひそめたままだった。今季のチームの低迷も関係しているだろうが、つねに物憂げで険しい表情は、ウディネーゼ時代から変わらない。

 どこか陰のある選手なのに、口を開けば「俺はビッグクラブでプレーする」とくり返し、強烈な上昇志向を隠さなかった。

【次ページ】 小国出身、しかし対PK能力はブッフォンを上回る。

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