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宇佐美、武藤に抗う同世代・遠藤航。
「高3の時よりは抑えられたかな」
posted2015/04/21 10:30
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
表情には悔しさが滲んでいた。
湘南ベルマーレは先週末、ガンバ大阪に0-2で敗れ、これで5節のFC東京戦に続いてホーム2連敗。しかも、ともにA代表の武藤嘉紀、宇佐美貴史に決勝ゴールを決められた。ホームでの今季初勝利、初のA代表入りを狙う遠藤航にとって厳しい結果になってしまったからだ。
この2試合は、遠藤にとって非常に大事な試合だった。3月末、U-22チームで出場したリオ五輪1次予選は、マレーシアという場所で高温多湿、中1日で3試合というハードな日程の中、チームで唯一全3試合スタメンで出場。キャプテンとしてチームを牽引し、3戦全勝で1次予選を突破した。
手倉森誠監督は、「合宿からこの予選を通じて一番成長したのが遠藤だ」とその進化を絶賛し、遠藤も格下相手とはいえ、厳しい環境の下で3試合をパフォーマンスを落とさずに戦えたことに手応えを感じていた。それからJリーグに戻り、チームとして、個人として強いチームとA代表の選手を相手にどのくらいやれるのか、楽しみにしていたのだ。
「A代表の選手との対戦は、すごく意識します。FC東京、ガンバともにA代表の選手が多いですし、特に武藤と貴史はマッチアップしますからね。そういう選手を抑えられればハリルホジッチ監督へのアピールにもなると思うので、しっかり抑えたいと思います」
湘南、U-22で言われ続けた「球際の厳しさ」。
FC東京戦、ガンバ戦ともにその気持ちがプレーによく出て、目前の選手には厳しく当たる姿が目立った。湘南の曹貴裁監督、U-22代表の手倉森監督の双方から「球際の厳しさ」について口を酸っぱくして言われており、それをいつも通りに実践したのだ。
またガンバ戦では、攻撃面でより自分の良さを発揮しようとしていた。FC東京戦は全体的にシュートの意識が少なく、攻撃のバリエーションも少なかったが、ガンバ戦ではDFの背後を狙ったり、縦パスで攻撃のスイッチを入れようという意図が見えた。1点リードされた後半途中からは前線に入り、攻撃の起点になろうと積極的にプレーしていた。