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ルージュ一強か、三強か、それとも?
2015年桜花賞はハイレベルな一戦に。
posted2015/04/11 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
重賞で牡馬たちを蹴散らした「スーパー女子」の一強か。あるいは、その馬をはじめとする「無敗の重賞勝ち馬」の三強か。それとも、ただ一頭の重賞2勝馬を含めた大混戦と見るべきか。
いずれにしても、今年の第75回桜花賞(4月12日、3歳牝馬GI、阪神芝外回り1600m)は、とてつもなくハイレベルな争いになりそうだ。
素質馬が揃ったメンバーのなかでも、頭ひとつ抜けていると思われるのは、無敗できさらぎ賞を制したルージュバック(父マンハッタンカフェ、美浦・大竹正博厩舎)である。
昨年9月28日に新潟芝1800mで行なわれた新馬戦を上がり32秒8という驚異的な末脚で差し切り、2戦目の百日草特別では、のちに重賞を勝つベルーフ、ミュゼエイリアンらを楽に切って捨てた。
ルージュ騎乗の戸崎圭太「ディープに似たところがあるのかな」
このころから「世代最強牝馬」と評価する声が高まり、それを年明け初戦の前走、きさらぎ賞勝ちで証明した。
きさらぎ賞では、最初のうちこそやや行きたがる素振りを見せたが、3番手のポジションにおさまると、鞍上の指示を受け入れ、折り合った。人間の指示に従順で、操縦性が高い。だから、後ろからでも前からでも競馬ができる。能力がずば抜けて高いことに加え、競馬が上手なのだから、負けないわけだ。
関西への輸送も、右回りも経験した。しいて死角を探すと、これまで1800mと2000mしか経験がなく、1600mが初めてとなることぐらいか。だが、それも、広くて直線の長い阪神外回りなら問題なさそうだ。
主戦の戸崎圭太が、「武豊さんが『飛んでいる』と言ったディープインパクトに似たところがあるのかな」と表現したように、スパートしてからは全身を大きく使って、ケタ違いのバネを見せる。