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素晴らしい騎手であり、熱い男だった。
後藤浩輝騎手との思い出をたどって。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2015/04/04 10:40
2013年11月4日にエスポワールシチーに騎乗しJBCスプリントを制覇したのが最後のGI制覇となった。
4月5日のセレモニーをもって、後藤“元”騎手に。
4月5日、日曜日、中山競馬場で最終レース終了後に、彼の騎手引退に伴うメモリアルセレモニーが行なわれる。
葬儀・告別式は密葬という形だったため、遺族と師匠の伊藤正徳調教師が、ファンに送り出してもらう場を設けることを検討していた。
「騎手として、これで引退したのだというけじめをきちんとつけさせてやりたい」と伊藤調教師。
私も、そこで彼を送り出して、気持ちに区切りをつけたい。
23年の騎手人生のうち最後の3年ほどは、ずっと怪我との戦いだった。苦しかっただろう。「お疲れさま、ありがとう」と声をかけたい。
そして、これまで「後藤浩輝騎手」と書いてきたが、「後藤浩輝元騎手」として彼との思い出を胸に仕舞い、日本にはこんなに熱くて、面白くて、素晴らしい騎手がいたということを、これからも書いていきたい。