沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
ドバイの新ダートコースで日本馬苦杯。
ホッコータルマエを襲った思わぬ陥穽。
posted2015/03/30 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
ドバイ、中京ともに、日本馬にとっては厳しい週末となった――。
現地時間の28日夜(日本時間29日未明)に行なわれた世界最高賞金レースのドバイワールドカップ(メイダンダート2000m、GI、9頭立て)に、日本のダート王ホッコータルマエ(牡6歳、父キングカメハメハ、栗東・西浦勝一厩舎)と、昨年のジャパンカップなどを勝っているエピファネイア(牡5歳、父シンボリクリスエス、栗東・角居勝彦厩舎)が出走したが、それぞれ5、9着に敗れた。
ホッコータルマエ、予定通りにハナを奪ったが……。
2番枠から出たホッコータルマエは、鞍上の幸英明に気合いをつけられ、果敢にハナを奪って最初のコーナーに進入した。
差なく昨年の勝ち馬アフリカンストーリー、本命視されていたアメリカのカリフォルニアクロームらがつづき、エピファネイアは少し遅れた中団の外目につけた。
「ハナを切るか、2番手かと考えていた」という幸が思い描いていたとおりの展開になった。ホッコータルマエは、道中ずっと手綱をしごいて促しながらの走りになったが、先頭から最後方までさほど差はなかった。極端な縦長になれば飛ばしすぎなのだが、そうではない。後ろの馬になし崩しに脚を使わせ、最後に、切れ味勝負ではなく、底力勝負に持ち込もうとする鞍上の意図が見えた。
4コーナー手前でエピファネイアがずるずると後退し、上位争いから脱落した。手綱をとったクリストフ・スミヨンによると、「他馬のキックバック(蹴り上げた砂)がすごくて体力を消耗してしまった」ようだ。
内埒沿いを走るホッコータルマエが先頭のまま直線に入った。
外から他馬が猛然と襲いかかってくる。
しかし、さすが日本のダート王、簡単には呑み込まれない。
このまま粘り込むか――とも見えたが、ラスト400m地点手前で外から来た馬にかわされ、最後は力尽き、5着に終わった。