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米大学バスケ界に203cmのサムライ!
渡邊雄太はNCAAの頂点を目指す。
posted2015/04/03 10:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yukihito Taguchi
渡邊雄太(ジョージワシントン大学)はこのところ、テレビをつけるたびに、悔しい思いがこみあげてくるという。
なぜ悔しいのかという話に入る前に、渡邊雄太とはいったい何者なのかを説明したほうがいいだろう。
渡邊雄太、20歳。次世代の日本バスケットボール界を担う選手として期待される選手だ。
母が元日本代表、父と姉が元実業団の選手というバスケットボール一家で育ったサラブレッド。日本人離れした長身(203cm)と運動能力に加え、自分でも一番の長所だと言うシュート力を持ち、尽誠学園にいた頃から注目を集めるようになった。周りの勧めもあって高校卒業と同時に渡米、プレップスクールでの1年間の準備期間を経て、去年秋からNCAAディビジョン1の中堅校、ジョージワシントンで勉強とバスケットボールに励んでいる。
ジョージワシントンでは、1年目の今シーズン開幕からローテーション入りし、シーズン終盤10試合はスターターとして出場した。大事な場面でも起用されるほど、コーチからも信頼されている。クリスマスにハワイで行なわれたミニトーナメント、ダイヤモンドヘッド・クラシックスの決勝戦では、全米に放映される中、当時全米ランキング11位だったウィチタステイト大相手に10点をあげ、勝利に貢献し、一躍注目されるようになった。
シーズン中には、地元のワシントンポスト紙のほか、ニューヨークタイムズ紙にも特集記事が組まれたほどだ。
川淵チェアマンも渡邊の才能に期待をかける。
日本での期待はさらに大きい。
現在、日本のバスケットボール界の改革で陣頭指揮を執る川淵三郎チェアマンも、日本バスケットボール界の顔となる選手として、「それは文句なしに、ジョージワシントン大学の渡邊雄太選手」と断言している。
選手によっては、これだけの期待をかけられることはプレッシャーに感じるのかもしれないが、渡邊はそう感じたことはないと言う。
「そうやって僕の名前を出してくれるのはありがたいですし、期待してもらえている分、自分も頑張らなきゃいけないなと思っているので、その期待に応えられるようにしていきたいです」と、ポジティブだ。この性格も彼の強みでもある。