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先発一新はハリルJだけじゃない!
中1日の五輪予選にU-22の策は?
posted2015/04/01 16:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
試合によって選手を入れ替えたのは、ハリルホジッチ監督だけではない。
3月27日から31日にかけて、リオ五輪アジア1次予選が行なわれた。マレーシア、ベトナム、マカオとの4カ国による総当たりリーグ戦は、中1日で3試合を消化するハードスケジュールだった。
その3試合に、U-22日本代表の手倉森誠監督は、試合ごとに異なるスタメンで臨んだ。全試合に先発したのは、キャプテンでボランチの遠藤航(湘南ベルマーレ)だけである。第3GKを除く22人が、マレーシア郊外のシャーアラム・スタジアム──1996年のアトランタ五輪予選を勝ち抜いた、日本サッカーにとって忘れ得ぬ地──のピッチに立った。
ローテーションで3試合を乗り切ったのは、体力の消耗を抑えるためだった。そのうえで手倉森監督は、「対戦相手に応じて誰が効果的に機能するのか」という前提に立って先発を選び、前線においては組み合わせのテストも行なわれている。
テストの中心にいたのは、久保裕也と南野拓実だ。ヤングボーイズ(スイス)でプレーする21歳と、1月にザルツブルク(オーストリア)に加入した20歳は、昨年12月のタイ・バングラデシュ遠征以来の合流である。
久保裕也をクラブと同じトップ下に据える。
ザルツブルクとの取り決めで2試合目までしか帯同できなかった南野は、第1戦で途中出場し、第2戦は先発で起用された。どちらも左サイドハーフで起用された南野だが、コアメンバーのMF中島翔哉(FC東京)と、親善試合以外では初めて同じピッチに立つことになった。そして、第2戦には、久保も先発していた。
こちらもヤングボーイズから最大2試合までの出場との条件がついていた久保は、第3戦にはトップ下で出場した。手倉森監督の狙いは、「彼はクラブでトップ下をやっている。前線には大きな選手がいるということなので、武蔵と組ませてみたい」というものだった。
185cmの鈴木の後方に久保が控えるコンビについて、指揮官は「裕也は足首を痛めていて万全ではなかったけど、いいところでボールを収めてくれるね」と手ごたえをつかんだ。久保は後半途中で退いたが、1-0の勝利につながるヘディングシュートも決めている。