五輪最終予選も、中1日の過酷な日程。

　20人のフィールドプレーヤー全員を起用したのは、組み合わせのテストと個人の経験値を高めることだけが理由ではない。来年1月の最終予選を見据えたものでもあった。

　リオ五輪に出場する3カ国は、カタールで行なわれるアジアサッカー連盟（AFC）のU-23選手権の結果によって決まる。

　16カ国がセントラル方式でしのぎを削るため、1次予選と同様にスケジュールは過密だ。グループリーグは中1日で3試合を消化し、その後も十分な休養を確保できないまま連戦をくぐり抜けなければならない。出場停止やケガ人が出てもチームのクオリティを落とさないことが、予選突破の重要なポイントになるのだ。

ホーム＆アウェイならレギュラーは固められるが……。

　マレーシアで1次予選を戦いながら、手倉森監督は最終予選を睨んでいた。さらに指揮官の視線は、さらに先のリオをもとらえていたという。

「ホーム＆アウェイでゲームをするなら自然にレギュラーは固まっていくし、固めていかなきゃいけないでしょうけど、セントラル方式で戦う自分たちはレギュラーを固めることのほうが怖い。集中開催で連戦なので、組み合わせをいくつも持っておく、替えがきくチーム作りは絶対に必要だと。

　最終予選だけでなく五輪本大会が中2日や中3日での連戦になると考えたときに、チームとしてのバリエーションを積み上げていかなければならないし、コンビネーションももっともっと高めなければいけない。レギュラーポジションを争っていくことをしっかり意識させたなかで、誰が出ても力が変わらないように、レギュラーと言える選手たちが2チーム分できるぐらいの総合力を高めないといけない」

　1次予選の結果は、必ずしも周囲を納得させるものではなかっただろう。マカオには7－0と大勝したが、ともに5バックを敷いてきたベトナムとマレーシアには、2－0、1－0というスコアに終わった。

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