Jをめぐる冒険BACK NUMBER
小野伸二、宮市亮、オリヴェイラ。
アンドレ・バイアを日本に導いた縁。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/03/28 10:35
フェイエノールトには7シーズン在籍し、小野伸二、宮市亮とチームメイトだったアンドレ・バイア。近年のブラジルはCBの宝庫であり、彼も湘南の守備に大きな安定感をもたらしている。
小野、宮市、オリヴェイラなどとの交流。
日本でプレーするのは「導かれた運命だった」とアンドレ・バイアは言う。
小野のプレーに衝撃を受け、その数年後には、宮市亮という若き才能ともチームメイトになった。
親交のあったジョルジ・ワグネルやロドリゴ・ソウトからJリーグの評判を聞くようになり、やがて自らもインターネットや知人を通して日本の情報を収集し、日本でのプレーを思い描くようになる。
そんな彼の日本行きの思いを決定的なものにしたのは、ボタフォゴ時代の“ボス”だったという。かつて鹿島アントラーズをリーグ3連覇へと導き、一時は日本代表監督としても噂にのぼった、あの監督である。
「(オズワルド)オリヴェイラの存在は大きかった。彼はミーティングで“Jリーグはこうだ、日本の選手はこうなんだ”って、しょっちゅう日本の話をしていて、いかに日本のことを愛しているかが伝わってきた。それで私も、“いつか日本でプレーしたい”という思いをどんどん募らせていったんだ」
「想像していた以上に力の差のないリーグ」
だからこの冬、代理人から持ちかけられた日本行きの話を断る理由が彼にはまったくなかった。それから入念に交渉を進め、希望を叶えたのだ。
1勝1分け1敗と、1勝。前者がJ1で、後者がナビスコカップ。これが今シーズンここまでの湘南の成績だ。練習試合を含めてもまだ全チームと対戦したわけではないが、アンドレ・バイアはJリーグと湘南についてこんな印象を抱いている。
「前もって聞いていたが、想像していた以上に力の差のないリーグだと感じるね。もちろん、長く同じメンバーで戦っているチームにアドバンテージはあるが、そうしたチームは安全にゲームを進めていく傾向があるようにも感じるから、我々のように攻守において非常にアグレッシブに戦うチームはチャンスが十分あると思う」