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リード、バッティング、最後は好み!?
里崎智也が語り尽すロッテ正妻争い!
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/03/17 10:30
里崎智也は自らの引退試合の後、特設ステージでライブを敢行し3曲を歌い上げた。
全ては結果ありきの話になっちゃうんです。ただ……。
――3月8日のソフトバンク戦で、3回に石川(歩)が柳田(悠岐)に初球をホームランされました。この日は吉田がスタメンでしたが、まだそういう意識が足りない、と。
「ピッチャーは全部が全部、キャッチャーのリードに応えられるわけじゃないんで、全ては結果ありきの話になっちゃうんですよ。ただ、このケースで言えば、初球から積極的に振ってくるバッターっていうのは、1ボールからの2球目も振ってくるもんなんです。
リードっていうのは、ピッチャーとの共同作業になってくるわけです。打たれたからって『キャッチャーが悪い』って評価すること自体がおかしいじゃないですか」
――すみません……おっしゃる通りです。
「いや、別に怒ってないですよ(笑)」
僕なら「打てるキャッチャー」をレギュラーにする。
――守備は横一線でリードには答えがない。そうなると、ふたりの差を明確に表す要素は何になりますか?
「それはもう、バッティングです。僕なら打つ選手をレギュラーにします」
――里崎さん自身、通算108本塁打と「打てるキャッチャー」だっただけに、そこは最重要ポイントだ、と。
「バッティングは数字が明確なんで。打率と出塁率がそこそこ高くて、ホームランが打てて打点を稼げる。現時点での吉田と田村は、まだ1年間通してコンスタントに結果を出せるだけのバッティングはできていないんじゃないかなって思います」
――ただ、オープン戦の打撃成績を見ると、吉田が出場9試合で22打数7安打、打率3割1分8厘。田村が8試合で20打数6安打、2打点、打率3割(3月15日現在)と、数字だけならこちらも横一線のような気がしますけど。
「じゃあ、さっきの8日の試合で言いましょうか。吉田の名前ばっかり出して申し訳ないんですけど、チームが負けている展開で、彼は7回のチャンス(1死二、三塁)で代打を出されたわけですよ。
これはね、過去が物語っていることで、ゲーム終盤のチャンスでキャッチャーに打席が回ってきて代打を出されることって多いじゃないですか。それって、『お前はもっと打たないとダメだよ』ってチームから言われているのと同じなんですよ。つまり今の吉田も田村も、スタメンで試合に出ているけど、規定打席に到達できるだけの試合数は出られないってことなんで。これがもし、どちらかがチャンスで連続してヒットとか打ったりしたら、次の日から数試合はスタメンで出されると思いますよ。その積み重ねでレギュラーを勝ち取っていくしかないんです」