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リード、バッティング、最後は好み!?
里崎智也が語り尽すロッテ正妻争い!
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/03/17 10:30
里崎智也は自らの引退試合の後、特設ステージでライブを敢行し3曲を歌い上げた。
3年目の田村、2年目の吉田……どちらが正捕手候補?
――では、本題に参りましょうか。
「キャッチャーの話ですよね」
――そうです。ロッテの正捕手争いについてお話を伺いたく。
「分かりました」
――オープン戦では、3年目の田村龍弘と2年目の吉田裕太がスタメンマスクを被る試合が多いです。現時点では、ふたりが「正捕手候補」となるんでしょうか?
「そうですね、今のところは」
――キャンプから見ている里崎さんとしては、今のふたりの力をどう判断していますか?
「守備のスキルから言えば横一線ですね。吉田は肩が強いし、田村はピッチャーからボールを受けてから投げるまでの動作が速いし、セカンドまでの送球もコントロールがいい。ふたりともキャッチングがうまいし、ワンバウンドもしっかり止められて、クロスプレーでのブロッキングもちゃんとできますから。キャッチャーとしてのスキルは最低限できていますよね。一軍レベルにあると思います」
リードっていうのは物差しがないんですよ。
――そうなると、差をつけられる要素はリードになるんでしょうか?
「リードっていうのはピッチャーの力量にもよるんで。防御率1位から6位までのピッチャーが同じチームにいるなら、彼らのボールを受けているキャッチャーは、『いいリードをしている』と評価されるわけですよ。逆に防御率が下位のピッチャーばっかりだと、『リードが悪い』ってなるじゃないですか。ここで何が言いたいのかというと、チーム力と結果が伴っていれば、そのチームのキャッチャーはいいキャッチャーなんですよ」
――中日の谷繁さんとか、球界を代表するキャッチャーたちも「リードに答えなんてない」って言いますもんね。
「ほんと、そうなんですよ! リードっていうのは物差しがないんですよ。
『リードが大切だ』って言うでしょ。じゃあ、みんなが100%納得できるだけの定義を答えられるか? となったらできないわけですよ。他にも『感性も大事だ』。感性なんて人それぞれで、時にはそれを間違えて打たれることだってあるわけでしょ。
『初球から振ってくるから注意しよう』。そう言われても具体的に何をすればいいのか? 勝負球から入るのか、際どいコースにボール球を投げるのかとか、『お前が初球から振ってくることは知ってるぞ』って精神的プレッシャーを与えられるためにはどうしたらいいのか? そういうことを踏まえた上で、『初球から振ってくる』を理解して、リードをしないといけないんです」