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2015年センバツ、注目の7試合と8校。
“春のジンクス”通りなら優勝は……。
posted2015/03/13 16:30
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
3月21日(土)から始まる第87回選抜高校野球大会の組み合わせが決まった。
静岡(静岡)、敦賀気比(福井)、仙台育英(宮城)がいるBブロックに強豪校が目立つが“死のブロック”と言われるほどの偏りはなく、各ブロックに注目校、強豪校がバランスよく収まったという印象である。
※組み合わせ表はこちら→ http://www.jhbf.or.jp/senbatsu/2015/tournament/tournament.pdf
初日21日の第2試合では、早くも大阪桐蔭(大阪)対東海大菅生(東京)という東西強豪校が激突する。大阪桐蔭は投手力に不安を残すが福田光輝(3年)、青柳昴樹(3年)、藤井健平(3年)で構成するクリーンアップが強力で、とくに4番青柳は昨年秋の近畿大会では日高中津(和歌山)、天理(奈良)戦で2安打ずつ放ち、その存在感を際立たせている。
対する東海大菅生は、投手で3番を打つ勝俣翔貴(3年)がチームの柱。投手としては縦変化のカーブ、スライダーを駆使し、打者の目線を上下に揺さぶるピッチングに特徴があり、最速142kmを計測するストレートにも力がある。
さらに注目が集まるのは打者としての素質で、昨年11月に行なわれた東南アジア遠征の壮行試合では日本大学の2年生投手からライトに特大のホームランを放ち、関係者の度肝を抜いた。総合力では大阪桐蔭に軍配が上がるが、勝俣の投打がうまくはまれば番狂わせも十分考えられる。
2日目、3日目にもドラフト候補が続々と登場。
2日目の注目校は第2試合に登場する静岡(静岡)だ。昨夏選手権のスターティングメンバー中、内山竣(3年)、大石智貴(3年)、堀内謙伍(3年)、安本竜二(3年)、平野英丸(3年)が残り、大石以外は新チームでの打率が4割以上という迫力。チーム全体の本塁打数は練習試合も含めれば新チーム結成以降で23本に達し、これは出場32校中、八戸学院光星(青森)の25本に次ぐ多さだ。この強力打線に近畿大会準優勝の原動力になった立命館宇治(京都)の左腕・山下太雅が多彩な変化球でどう対抗していくか注目したい。
3日目は3試合すべてが注目カードと言っていい。第1試合に登場する奈良大付(奈良)の坂口大誠(3年)、敦賀気比の平沼翔太(3年)はクセの強い投球フォームから投じるストレートに威力を秘め、ともにプロのスカウトから注目を集めるドラフト候補だ。
打線では敦賀気比が上回る。4強に進出した昨年夏の選手権で活躍した平沼、篠原涼(3年)、山本皓大(3年)が残り、ここに林中勇輝(2年)を加えた上位打線は大会屈指の破壊力を秘める。