詳説日本野球研究BACK NUMBER
2015年センバツ、注目の7試合と8校。
“春のジンクス”通りなら優勝は……。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2015/03/13 16:30
全32校の主将が答えた優勝予想アンケートでは、仙台育英が14票を集めた。やはり昨秋の明治神宮大会覇者が今大会の中心なのは間違いないようだ。
優勝候補・仙台育英はセンターラインに強み。
第2試合の仙台育英対神村学園(鹿児島)も注目カードだ。仙台育英は昨年秋の全国大会、明治神宮大会の優勝校で、今選抜では優勝候補の一角に名をつらねる。最速144kmのストレートにフォークボール、ツーシームを操る佐藤世那(3年)がディフェンスの要なら、明治神宮大会決勝戦、浦和学院(埼玉)戦で2ランホームランを放った遊撃手の平沢大河(3年)は攻撃陣の要。この2人に捕手・郡司裕也(3年)を含めたセンターラインの強固さは優勝候補の名に恥じない。
神村学園の方は、昨年夏の選手権でホームランを放った山本卓弥(3年)の強打が健在で、ディフェンス面ではサイドハンドからキレのいいストレートと多彩な変化球を操る北庄司恭兵(3年)が大物食いの雰囲気を漂わせている。
浦和学院との王者対決でも、わずかに龍谷大平安が有利?
第3試合では'13年の選抜大会の覇者・浦和学院と'14年の覇者・龍谷大平安(京都)が激突する。浦和学院は山崎滉太(3年)、津田翔希(3年)、諏訪賢吉(2年)たちで構成する上位打者の得点力の高さ、龍谷大平安は高橋奎二(3年)、元氏玲仁(3年)の両左腕を中心としたディフェンスの固さで際立った存在。「春の勝敗を左右するのはディフェンス力」が選抜で勝利するための法則ということを考えると、龍谷大平安がわずかだが優位に立っている。
4日目の第2試合では噂の大物が登場する。
3月8日の練習試合でストレートが152kmを計測した県岐阜商(岐阜)の高橋純平(3年)だ。まだ肌寒い3月初旬に150km以上の快速球を投げるというのは、驚きを通り越して驚異。100km台のカーブとのスピード差は最大45kmに達し、緩急を操れるのも魅力。昨年秋の東海大会では4試合33回投げ、奪三振35個とドクターKぶりを遺憾なく発揮した。
対する松商学園(長野)は、なんとかこの剛腕に機動力で揺さぶりをかけたいところ。練習試合も含めて新チーム結成後26盗塁を決めている百瀬雅也(3年)がキーマンになりそうだ。