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王者メルセデスはかつての“僚友”。
2015年のホンダが負けられない理由。
posted2015/03/12 10:40
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
いよいよ3月13日に2015年のF1が開幕する。この日を待ちわびているのは、ファンだけではない。リベンジを果たしたい者たちにとっても、開幕戦はこれまでの借りを返すスタートラインとなる。
そのひとりがニコ・ロズベルグだ。昨年、最強のパワーユニットを擁して開幕戦を制しながら、その後チームメートのルイス・ハミルトンにタイトル争いで逆転を許し、最終戦で涙を飲んだ。
「正直、最終戦でタイトルを逃したときは、かなり落ち込んだ」というロズベルグ。最終戦の2日後に、タイトルを逃した同じ場所で行なわれたテストでは「最初は乗っていて楽しくなかった」という。それでも、ロズベルグは逃げることなく、楽しいと感じるまで走り続けた。そして、20周ほど走行し続けたとき、ようやく闘志に火がついた。それは「ルイス(・ハミルトン)を倒す」というモチベーションだ。
ロズベルグ「もう一度、挑戦する準備はできている」
そのモチベーションは、年が明けても下がることはない。開幕前に行われた3度のテストで、ロズベルグはいずれもハミルトンを上回るベストタイムをマークした。
「もう一度、タイトルに挑戦する準備はできている」と語るロズベルグ。昨年のオーストラリアGPの初日最速タイムを記録したのはハミルトンだった。果たして今年、ロズベルグは先手を取ることができるのか。2015年の開幕戦は初日から激しく主導権争いが繰り広げられることだろう。
雪辱を期すのは、ロズベルグだけではない。昨年、不甲斐ないシーズンを送ったフェラーリとロータスという古豪2チームも、この日のために準備を整えてきたチームである。
この2チームに注目するのには理由がある。それは、どちらのチームも、開発のリソースを昨年の途中から、早々に2015年に切り替えていた点である。