なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
過去最低成績の陰でスター誕生!
なでしこに現れた度胸の点取り屋。
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byAFLO
posted2015/03/10 16:35
ポルトガル戦で自身代表初となる得点をあげた横山久美。彼女の得点能力は、なでしこでも傑出している。
大儀見も認める、フランス戦のいい面とは?
そして、評価できる点として大儀見が語ったのはこんな要素だった。
「それでも前半は、中盤であや(宮間)が高い位置を取って、瑠美(宇津木)が下がったところでボール受けて、自分も後ろに下がらず前線に張って相手センターバックと駆け引きしながらプレーできたのはよかった」
この日、阪口夢穂に代わって宮間とともに中盤センターに入った宇津木の体の強さ、縦パスを絡めたテンポの早いロングキックが利き、日本に新たな可能性を感じさせた時間帯があったのは事実なのである。
一方、後半は相手がギアを上げてきたこともあり、後手にまわり、PKからの失点で完全にリズムを失ってしまった。
「フランスは明らかに前半と後半のやり方を変えてきた。(後半)プレッシャーが増し、それに対して焦ったのか、ビビったのかはわからないですが、うまく対処できなかった。そのことを全選手が受け止めないといけない」(大野忍)
「スイッチが入ったときのフランスの勢いは感じましたし、前半のフランスはこちらが言うのもおかしいですけど、フランスらしくなかった。後半の本来のフランスを相手に、自分たちが、何ができるかというのを突き詰めていかないといけない。守備はもちろん、サッカーは点を取らないと勝てないので、自分たちには足りない部分は多いと感じました」(川澄)
失点は自分たちのミスからだったことをどう評価?
そんな苦戦が続いた後半でも、振り返ればPKのほか、失点は自分たちのミスから相手にボールを渡してしまったシーンから始まっており、GK海堀あゆみが脅かされるようなピンチは少なかったといえる。
この点が、佐々木監督も試合に負けながらも手応えを感じたと語っている理由だろう。
「今回は負けましたが、こちらが集中力を欠き、判断力が鈍った部分があった。本大会でフィジカルコンディション、ゲームコンディション、プレーコンディションが上がれば、この差は十分喰い付ける」