プレミアリーグの時間BACK NUMBER
マンUよりも実は失点が多いマンC。
大黒柱コンパニへの依存と葛藤。
posted2015/02/07 10:50
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Tomoki Momozono
週明けにプレミアリーグ順位表を眺めながら意外に思ったことが1つ。23節終了時点のトップ4では、マンCの失点数が一番多かったのだ。攻撃志向の強いマヌエル・ペジェグリーニ監督のチームだけに、堅守のイメージがあったわけではない。
しかし守備の問題と言えば、3位まで浮上してきてはいるものの、最終ラインの顔ぶれも頼りなく、3バックと4バックのどちらを基本とするかも決まらずにいるマンチェスター・ユナイテッドの印象の方が強かった。ところが僅か1点ではあるが、マンCはマンUより多い23失点を記録しているのだった。
後半戦突入後のマンCは、元日のサンダーランド戦(3-2)でポイント数、得失点差、得点数の全てでチェルシーと首位に並んだが、続く3試合で勝てずに5ポイント差で再び2位に落ちた。
1月のリーグ戦4試合で計6失点。FAカップ戦を含めれば6試合で9失点。この内、シェフィールド・ウェンズデー(2部)とのカップ戦(2-1)を含む1月前半の3試合には、守備の要であるバンサン・コンパニが故障中でいなかった。
復帰はしたものの、コンパニの状態が上がって来ない。
しかし、ハムストリングの怪我が癒えたコンパニが最終ライン中央に戻った続くアーセナル戦(0-2)では、そのコンパニが先制のPKを与えて敗れてしまった。キャプテンでもあるCBには苦し紛れのファウルが目立ち、2枚目のイエローをもらって退場させられていても不思議ではなかった。その翌週、ミドルズブラ(2部)に番狂わせを演じられたカップ戦(0-2)でも、コンパニがいながらにしてチームの最終ラインは不安定だった。
もちろん、約1カ月ぶりの戦線復帰でマッチフィットネスが不十分だったという理由はあるだろう。コンパニは昨季途中にも怪我で2カ月間の戦線離脱を余儀なくされ、故障明けの2試合では格下のウェストブロムウィッチとサウサンプトンの攻撃陣を相手に苦戦した。しかし、続くアーセナル戦(6-3)では、チームとしては3失点でも、コンパニ自身は攻撃の起点としてもシャープな動きを見せるようになっていた。
それが、今回は復帰3戦目となったチェルシー戦でも精彩を欠いたままの90分間だった。相手の攻撃はほぼカウンターに限られていたが、敢えてマンC守備陣の出来を評価するとすれば、ダブルボランチとGKを含む7名中、五分五分の競り合いに負けてチェルシー先制のきっかけに関与したガエル・クリシと共に、コンパニが最低点になるだろう。