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福西崇史が見る、UAE戦での課題。
「選手を入れ替える勇気を持てるか」 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/01/23 11:25

福西崇史が見る、UAE戦での課題。「選手を入れ替える勇気を持てるか」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

グループリーグ第3戦のヨルダン戦、待望の今大会初ゴールを挙げた香川真司。これからの決勝トーナメントへ向けて、さらなる復調が期待される。

4年前の日本代表との違いは……。

――4年前の日本代表は接戦を制し続けることで勢いに乗って優勝しました。ただ、今回のチームは落ち着いた試合運びが目立っているように思います。

福西:試合運びの面は、出ている選手がザック時代からずっとプレーしている選手たちだからこそ、というのはあるよね。個人同士のコンビネーションは、ブラジルW杯までずっと取り組んでいたものが土台にあるから、チームがある程度できあがっている状態で戦っている。

 その中でアギーレ監督がやりたいこと、例えば攻守の素早い切り替えを実現できるかがポイントだった。その面に関しても選手間でよく話し合っているようだから、しっかりとアギーレ監督のイメージしているものを表現できている。チームとしてのベースがあって、なおかつ自信を持って戦っていることが4年前との大きな違いなんじゃないかな。

――アギーレ監督の話が出ましたが、交代策が非常に的確だったように映りました。

福西:ヨルダン戦では岡崎に代わった武藤が左サイドを切り崩して、香川の追加点をアシストした。あとイラク戦でも、少し受けに回った時間帯に今野と清武を入れて、試合の流れをもう一回日本に戻した。それはアギーレ監督が何より「勝つ」ということを求めているからこそ。ほかにもパレスチナ戦でヤット(遠藤)を早めに外したかと思えば、ヨルダン戦では乾がイエローカードを受けるとすぐに清武を投入したりね。“結果重視”の采配が当たっている。

香川の調子は確実に戻ってきている。

――そして武藤のアシストからゴールを決めた香川ですが、日本代表では9試合ぶりの得点となりました。

福西:大会前から、動きのキレを取り戻していくことが香川の課題と言われていた。まだ試合の中でコントロールミスやパスミスはあったから、本人としては満足していないはず。ただ、調子が戻ってきていることは確か。ここからは絶好調時のプレーにどこまで近づけるか、っていうレベルになってくる。

――ちなみに香川はアギーレ体制ではインサイドハーフを任されています。ザック体制での2列目と違う役割だけに、アジアカップまでは少しゴールチャンスに絡めていない印象でした。

福西:でもここにきて、インサイドハーフってポジションの役割や、周りとの兼ね合いも理解してきたんじゃないかな。守備面で頑張りながらも、どのタイミングで攻撃に絡んでいくか。インサイドハーフを任されて最初のうちは少し分からないところがあった分、かなり守備意識の方が強かったし、攻撃面でも自分を抑えていた……は言い過ぎかもしれないけど、どこか遠慮していた部分はあったと思う。

――だけど、試合をこなすうちに……。

福西:そう。ペナルティエリア付近で顔を出すプレーとか、味方からのボールの引き出し方に幅が出てきた。自分の良さが発揮できているからこそ、相手を見てプレーする“余裕”も出ているよね。

【次ページ】 中2日で臨むUAE戦をどう戦えばよいのか。

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