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酒井監督就任以来、初めて3位後退。
東洋は青学との差を詰められるか。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byHirofumi Kamaya
posted2015/01/12 10:30
東洋大学の10区を任された4年生の淀川弦太。今の4年生が入学する前から、東洋は箱根で2位以内を続けてきたが、今回は3位に終わった。
経験による「育ち」という東洋のパターン。
出雲でエントリーされていたオーダーは、次の通りだった。
1区 服部(弾) 2年
2区 口町 2年
3区 服部(勇) 3年
4区 渡邊 3年
5区 齋藤 4年
6区 竹下 1年
服部兄弟以外は箱根を走った経験がない選手ばかりだった。
「出雲を走っていれば、ブレイクする選手が絶対にいたんです。あの中止は痛かった」
酒井監督は出雲の後、そう話していた。
実戦による自信。東洋大は経験を積むことによる「育ち」のパターンを持っている。出雲の中止によって、酒井監督の育成プログラムは大きな変更を余儀なくされた。
そしてこの出雲のエントリーメンバーから、実際に箱根を走ったのは服部兄弟だけだった。10月の時点でのベストメンバーが、その後順調に練習を重ねられなかったのがうかがえる。
ただし、敗れた後の東洋大は怖い。2011年、早大にわずか21秒差で敗れて、「その1秒をけずりだせ」という言葉が生まれた。
正直、来季もさらに充実が見込める青学大に、素質の面で東洋大はヒケをとっている。果たして酒井監督は、どんな手を打ってくるだろうか。