サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
福西崇史がアジアカップを展望する。
「重要なのはキャプテンの存在と……」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2015/01/09 10:50
今回で4度目のアジアカップ出場となる遠藤保仁。オークランドシティとの練習試合でも先制点を決めるなど、調整は順調のようだ。
センターバックの吉田麻也の状態は?
――続いてですが、センターバックについてです。
福西:このポジションで中心になるのは吉田と森重だろうね。
――ここで聞きたいのは吉田です。所属するサウサンプトンでは、年末年始も休みなく試合に出ていました。
福西:うん。元日のアーセナル戦でも途中出場していた。
――ただ、ケガ人などチーム事情もあって、サイドバックで起用されていたんです。
福西:もちろんセンターバックで出られるのが一番だけど、まずは“試合に出られている”っていうのが大切。試合に出ることでコンディションや試合勘は維持しているから、そこは問題ないんじゃないかな。
今の時期を乗り越えられれば、香川はもう一段階成長できる。
――攻撃の核として期待が集まる、香川と本田についてもお聞きします。少し心配なのは香川です。昨夏に移籍したドルトムントでは移籍直後こそゴールを決めたものの、チームの不調に引きずられるように本来のパフォーマンスには至っていません。
福西:代表でもドルトムントでもそうなんだけど、ここ最近の香川を見ていると、ちょっとプレーに力みがあるんじゃないかな? と思う。例えばシュートチャンスの場面で、キックがジャストミートしない場面があったりとかね。もしかしたら「このプレーを成功させなきゃいけない」、「オレがやらないと」って思いが強すぎるのかもしれない。
――その分だけ、香川らしい柔らかなボールタッチやアイデアあふれるプレーがなかなか発揮できない。
福西:そう。あと、タイミングのいい動き出しもね。ただ、今の“うまくいかない”時期を乗り越えられれば、香川はもう一段階成長できるはず。それこそ、本田はミランでその経験をしたよね。本田もビッグクラブに入ったことで、自分にかかる責任感やストレスが今までにないほど大きかったはず。移籍当初こそ苦しんだけど、今季はここまでミランで6得点と結果を残してきた。
――プレッシャーに打ち勝ったことで、メンタル面がさらに強くなった、と。
福西:本田のコメントからは、以前よりも余裕が感じられるようになった。それは、ミランで苦しみながら得た自信があるからこそだと思う。