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輝きを失った香川真司、葛藤を語る。
「前のイメージを忘れる必要がある」
posted2014/12/10 12:30
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
ドルトムントでの2度目の人生をスタートさせた香川真司が、目指すべきものは何なのか――。それは、自然と浮かび上がってきた。
まずは、12月9日に行なわれたCLアンデルレヒト戦について振り返ってみる。
4日前のホッフェンハイムとのリーグ戦を1-0で勝ち、ブンデスリーガではようやく最下位を脱したドルトムントだが、CLではグループリーグ突破をすでに決めていた。この試合に引き分けても、他会場で行なわれている試合でアーセナルが6点差以上をつけて勝たない限り、首位でのグループ通過が決まる状況だった。
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ドルトムントの年内最大のテーマは、ブンデスリーガで1点でも多く勝ち点を積みあげること。クロップ監督は、フンメルス、ケール、ピシュチェクといった負傷中の主力をメンバーから外し、FWインモービレを10月28日のドイツ杯以来の先発起用。4日前のホッフェンハイム戦には出番のなかった香川も、トップ下でスタメンとして送り出された。
ドルトムントにとっては実りある試合。では香川は?
試合は、58分にDFラインとの駆け引きを繰り返していたインモービレのゴールでドルトムントが先制。84分にミトロビッチのヘディングゴールを許したものの、そのまま1-1で試合は引き分けで終了、得失点差でドルトムントが首位でのグループ突破を果たした。
また、9月に手術をしたサヒンが昨年5月のドイツ杯決勝以来となる出場を果たし、クバことブラシュチコフスキも318日ぶりに復帰。同じく怪我で戦列を離れていたキルヒも今季2度目の出場を飾った。ボール奪取で活躍を見せるベンダーを温存し、ホッフェンハイム戦で出色の出来を見せたギュンドガンも66分にベンチに下げることが出来た。ホームで1-1という結果ではあったが、ドルトムントにとってこの試合は意外にも実りあるものになった。
では、香川にとってはどうだったのだろうか。