主要区間を任せられる人材に事欠かない豊富な陣容。

　特に神野は、今年から合宿所に設けられたストレッチ・スペースで率先してトレーニングを行なうなど、前向きな雰囲気を作るのに大きく貢献してきた。全日本では最終区で明大の大六野秀畝に逆転されてしまったが、それもしっかりと受け止めている。

「走る前に、抜かれるとしたら、大六野さんか山梨学院大のオムワンバのどちらかしかいないと思ってたら、大六野さんがやってきて（笑）。順位を決めるアンカーとしては悔しい結果でしたが、それでも自分に出来ることはすべてやったと思っているので、箱根までにより強くなりたいです」

　青学大の強みは、神野だけでなく、主将の藤川拓也（世羅）、久保田、小椋、そして2年生の一色恭志（豊川）など、主要区間を任せられる人材に事欠かないことだ。このメンバーなら、誰が走っても区間上位でのタイムが計算できる。

往路だけでなく、復路にも！

　しかも、それだけではない。箱根の復路にもエース級を投入できる「選手層」の厚みが青学大にはある。

　たとえば、先に名前を挙げたような主力クラスの選手たちが7区、8区を走ったら区間賞が有力になる。そうした配置が今回のチームには可能なのだ。

　原監督には箱根での勝算がある。

「6区が終わった時点で、トップと1分半以内の差だったら、ドキドキしてしまうだろうね（笑）。いや、山上りも山下りもメドがついてきたから、一気に山で優位に立ちたいですよ」

　原監督が就任して11年目。監督の人柄を慕い、青学大で新たな歴史を刻みたいと思って入学してきた学生たちが、いま、総合優勝を射程に捉えている。

　今年の青山学院大は、強い。