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豪華メンバー集結のジャパンカップ。
カギは距離適性、有利なのは3歳勢?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/11/29 08:00
凱旋門賞でも驚異の末脚を見せ6着へ追い上げたハープスター。今度は府中の2400mで世界1位のジャスタウェイとの再戦になる。
凱旋門賞6着、ハープスターのアドバンテージ。
そのジャスタウェイに凱旋門賞で先着(6着)したハープスター(牝3歳、父ディープインパクト、栗東・松田博資厩舎)の存在も、今年のジャパンカップのプレミアム感を高めている。
この馬が例年の「桜花賞馬」以上のスーパー女子であることは説明不要だろう。ダービーに出てもぶっこ抜くのではないかと言われたほどの豪脚が武器だ。「3歳牝馬」と「豪脚」という言葉は普通相いれないものだが、この馬の場合は見事にマッチしてしまう。
凱旋門賞ほどではないが、斤量のアドバンテージは大きい。古馬の牡馬が57kgを背負うのに対し、4kg軽い53kgで走ることができるのだから。
ジャスタウェイ同様、遠征帰りの一戦となるわけだが、「カイバもよく食べているし、もともとおとなしい馬だから、輸送も問題なかった」と松田調教師。
近年、3歳牝馬がジャパンカップに好走というデータ。
3歳牝馬でこのレースを勝ったのは2年前のジェンティルドンナだけだが、昨年もデニムアンドルビーが鼻差の2着に来るなど、十分に戦えることはデータが証明している。
後方待機策をとり、直線で大外から脚を伸ばす、といういつもの競馬をするだろう。東京の長い直線を生かし、前を何頭かわせるか。ゴールするまでにすべての馬をかわし切っているかどうか。
マイル戦で見せてきた脚に比べ、同世代の牝馬に敗れたオークスを思い出すと、蹄鉄が脱げかかっていたとはいえ、この馬も若干距離に不安があるのかもしれない。と思っていたら、これまた前に壁をつくって折り合いやすい6番枠を引いた。凱旋門賞日本馬最先着の力を素直に評価すべきなのか。