フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
フィギュア日本女子がロシア杯優勝。
Jr王者・本郷理華は勝負強い18歳。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAP/AFLO
posted2014/11/17 16:30
同じ仙台のリンクで練習していた荒川静香が金メダルをとった時、9歳だった本郷。鈴木明子、浅田真央がいないフィギュア界にあって「少しでも近づけるように練習しています」とコメントした。
ファイナル進出の見通しは?
もっともスケートカナダで5位だった彼女にとって、GPファイナル進出の可能性は今のところ厳しい見通しだ。
次のフランス杯ではスケートアメリカで優勝したエレーナ・ラジオノワ、カナダで2位だったアシュリー・ワグナー、中国杯2位だったユリア・リプニツカヤらが出てくる。
また最終戦のNHK杯では、いずれも初戦3位だった宮原知子、村上佳菜子、グレイシー・ゴールドの3人が優勝を争うことになる。
現在までにファイナル進出が決定したのは、エリザベータ・トゥクタミシェワとこの大会で2位になったアンナ・ポゴリラヤの2人。残り4枠を誰が射止めることになるのか、最後の最後までわからない。
自国開催のファイナル進出を果たしたフェルナンデス。
一方男子は、ハビエル・フェルナンデスが優勝。スケートカナダの2位とあわせて、男子の中では一番乗りでファイナル進出を決めた。
「ファイナルに進出するための大切な試合で、全力を尽くした」と本人が言うように、12月にはバルセロナGPファイナルが待っている。ISU主催のフィギュアスケート競技会がスペインで開催されるのは、史上初のことである。それが実現したのは、スペイン出身で初めてISUメダルを手にしたフェルナンデスという存在がいたからこそだ。
無事にファイナル進出を果たして、本人も連盟関係者もおそらくほっと一息ついていることだろう。
日本もかつてはそういう時代があったが、たった一人の選手が国全体の期待を背負うというのは、そうとう重いプレッシャーに違いない。初の自国開催のGPファイナルでは、その重圧をはねのけて思い切りの良い演技を見せて欲しい。
2位にはベテランのセルゲイ・ボロノフ、3位はチェコのミハル・ブレジナだった。