フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
圧倒的に強い今季のロシア女子。
日本フィギュア界の女子選手は?
posted2014/11/11 16:45
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
「完璧な滑りではなかったけれど、自分がやり遂げたことには満足している。良いシーズンスタートをきることができました」
中国杯で優勝し、いち早く12月のGPファイナルへの切符を射止めたロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワ。会見では通訳を通して、このようにコメントした。彼女がGPタイトルを手にしたのは、センセーショナルなシニアGPデビューを果たした2011年以来のことである。もうすでにベテランのような印象があるが、実はまだ17歳で、これからの可能性を秘めた若手なのである。
GP大会連勝を続けるロシア女子たち。
スケートアメリカでは15歳のエレナ・ラジオノワが、スケートカナダでは16歳のアンナ・ポゴリラヤが優勝した。トゥクタミシェワの中国杯タイトルで、これまでのところロシア女子が今季のGPタイトルを独占してきたことになる。
浅田真央、カロリーナ・コストナーといったベテラン選手たちが不在の今シーズン、GPファイナルは6人中5人がロシア女子になる可能性すらあるのでは、と関係者たちの間でささやかれていた。
だが五輪チャンピオンのアデリナ・ソトニコワが11月7日、怪我を理由にロステレコム杯を欠場することが発表され、その可能性は薄くなった。それでも、中国杯で2位だったユリア・リプニツカヤを加えたロシア女子4人がGPファイナルに進出する可能性は高い。
国内のライバルが選手を強くする。
「才能ある若手が次々と出てくるロシアの中で戦っていくのは、大変なこと。でもだからこそ、こうしてお互い刺激をしあって強くなっていける。本当に戦う相手は、ライバルではなくて自分自身だと思っています」
そう語るトゥクタミシェワは、今シーズンのGPシリーズが始まる前に、すでにネベルホルン杯など3つの国際大会に出場し、優勝してきていた。昨シーズン、怪我のためもあってソチ五輪出場を逃した彼女に試合の勘を取り戻させるという、コーチ、アレクセイ・ミーシンの判断だったのだという。
「連続試合のマラソンが一段落してほっとした。GPファイナルまで少し間があるので、またしっかり調整していきます」