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天皇賞・秋、府中の2000mで激突する
3頭のダービー2着馬と、歴史的女傑。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/11/01 08:00
これまで8戦6勝2着2回と底を見せていないイスラボニータ。前につけられる器用さがあり、中距離では圧倒的な強さを誇っている。
天皇賞3勝を目指す、古馬の大勝格の調整は?
迎え撃つ古馬勢の大将格は、自身、3歳だった'12年に参戦して1/2馬身差の2着となったフェノーメノ(牡5歳、父ステイゴールド、美浦・戸田博文厩舎)だ。
昨年、今年と天皇賞・春を連覇したこの馬が勝てば、'88年タマモクロス、'99年スペシャルウィーク、'00年テイエムオペラオー、'07年メイショウサムソンにつづく天皇賞春秋連覇となると同時に、オペラオーに並ぶ史上最多の天皇賞3勝となる。
昨年は、天皇賞・春のあと宝塚記念(4着)を使ったら脚部不安を発生。今年は同じ轍を踏まぬよう、早々に宝塚回避を決め、ここに備えた。
「臨戦過程としては今年の天皇賞・春のときよりいい」と戸田調教師。
天皇賞・春を連覇しているからといって、鈍重なステイヤーというわけではない。3歳時のセントライト記念勝ちと天皇賞・秋2着の実績が証明しているように、中距離で生きる瞬発力もある。
GI7勝を目指すジェンティルドンナ、府中で復活なるか。
力を出せる状態であれば、ジェンティルドンナ(牝5歳、父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)がまとめて負かしても不思議ではない。昨年の天皇賞・秋はジャスタウェイに4馬身離された2着だったが、オークスを勝ち、ジャパンカップを連覇したように、東京は最も持ち味が生きる舞台だ。
もし勝てば、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカに並ぶ史上最多タイの芝GI7勝となる。
鞍上は、大舞台に強い戸崎圭太。「気持ちが強く、どんな競馬でもできる」と、確かな手応えを得ているようだ。
ただ、陣営が最大目標に据えているのは次走のジャパンカップだろうから、ここは目一杯には仕上げてはこないかもしれない。