母「ここ、高校時代の思い出やわぁ」

　日曜日の最高気温は26.1度。10月にしては強い日差しの中、大阪城公園の京橋、グリコの道頓堀、中央公会堂などがある御堂筋、そこから通天閣に、京セラドーム、南港にあるインテックス大阪のゴールゲートを目指します。

　当初の目標は最初の14kmは走って、14km～28kmは歩きと走りを繰り返し、ラストの14kmはほとんど歩く（だろう）という流れの6時間半でゴールするという想定でレースを組み立てていました（出発時間のロスタイムが30分弱ある想定で、制限時間7時間をフルに使う計画）。

　関門は10個で、各関門を15分ほど前に通過する形がずっと続くことも予想していました。スタートしてからまずは5km関門、10km関門は、15分の余裕を持って通過しました。1km8分半ペースで走り、ゼリーなども補給するし快調そのものでした。

　レース前半には淀屋橋、中之島付近を通過します。何度も練習した場所であり、母の高校時代の青春の土地なのです。母が「ここ、高校時代の思い出やわぁ」と懐かしむと、祖母が「中之島ねー！　千恵ちゃん（母）の卒業式あったよね」と返す余裕ぶり。元気な証拠、でしょうか。

美智子さまの手の振り方を真似る!?

　距離を重ね徐々に歩く時間が出てきたものの、14km関門、20km関門、22km関門も10分強の余裕を残して通過です。歩きといってもかなりの早歩きで1kmを9分のペース。1km走って、1km歩いての繰り返しを上手くこなします。20kmで再び栄養ゼリーも補給し、体調も良さそうです。

「走る三世代」のゼッケンを見たランナーや沿道の方、そしてNumber Webの読者の方が、次々に「三世代！　応援してるよ！」「ほんま偉いわ！」と声をかけてくれました。

　祖母は「ありがとうございます」と丁寧な挨拶に加え、これまた丁寧に手を振りました。

　母が、すかさず「彩ちゃん、この手の振り美智子さん真似てるんよ！　お母さん（祖母）は、美智子さんと同い年やから」と言いました。

　美智子さんなんてお友達いたっけ？　……と考えて、ハッと気がつきました！

「もしかして、皇室の？」

　と私が聞くと、母は「当たり前やん！　美智子さんっていったら、美智子さんやん！」

　悠長というか、祖母らしいと言うか、予想もしないことをやってくれるものです。大舞台の大阪マラソンで沿道の大勢に手を振るこの日のために、日本の最高峰の手の振り方を真似て、ってことでしょうか。あっぱれ！

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