女三代フルマラソンに挑むBACK NUMBER

女三代、ついに本番の大阪マラソン。
まさかの結果、そして驚きの発言が! 

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中島彩

中島彩Aya Nakajima

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photograph byAya Nakajima

posted2014/10/30 15:20

女三代、ついに本番の大阪マラソン。まさかの結果、そして驚きの発言が!<Number Web> photograph by Aya Nakajima

大阪の町を走る女三代。序盤はいたって順調なペースで走っていたが……。

「お願いやから、来年まで練習つきあって!」

 話を聞くと祖母は、大阪マラソンを完走して楽しかったら、徳島県で3月に行なわれる「とくしまマラソン」を目指そうと思っていたそうです。

 徳島は、祖母の生まれ育った土地。結婚するまで、祖母は5人兄弟の長女として家族を支えてきたのです。本当は、大阪でのメダルを下げて凱旋マラソンになる予定でしたが、むしろ、徳島でリベンジしてやろうとのこと。祖母の心に完全に火がついたのです。

 大阪マラソンで多くの人に「三世代で挑戦しているなんてすごい! がんばれ!」と言われた祖母は、自らが走ることの意味を体感したのかもしれません。

 私が母に意見を聞こうとすると、祖母は「千恵ちゃんお願い、来年の徳島まで、お願いやから練習つきあって! 千恵ちゃん、彩ちゃん、どうかお願いします。初心に戻るから!」と、私たちの手を握り頭を下げたのです!

「彩ちゃん、そういうことやから、あと半年、がんばらへん?」と母までやる気に。あんなに疲れていると思ったのに(笑)! 何はともあれ、祖母のやる気はもう止められません。

マラソン翌日に「今度の練習はいつ?」。

 祖母の心に火を付けてしまった、マラソン完走の夢。とくしまマラソンは、ちょうど半年後の3月22日。初心に戻るだなんて、79歳の初心とはいつのことなんでしょう。でも、そのやる気に、NOなんて言えません。

 まさかの「徳島まで続行」というオチで終わった大阪マラソン2014、果たして三世代は、祖母の生まれた地で今度こそフルマラソンで完走できるのでしょうか?

 マラソン翌日の月曜日。祖母から電話がなりました。

 こちらが「身体大丈夫?」と聞く前に、

「彩ちゃんの口座に、とくしまマラソンのエントリーのお金とお小遣い振り込んどいたから、絶対お願いね! おばあちゃん、完走するよ!」

 横に居た母は「彩ちゃん、今度いつ大阪に練習来れる?」

 2人とも、まだ大阪マラソンの翌日なんですよ……。恐るべし、79歳ランナーの祖母、それを支える55歳ランナーの母。その挑戦は、さらに面白くなりそうだと思いませんか?

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