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秋華賞、「一強」ヌーヴォは盤石か。
伏兵の超良血馬、2歳女王はいかに?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/10/18 08:00
2枠4番に入ったヌーヴォレコルト。ハープスターとの再対決へ向けて、ここは完勝といきたいところだが、果たして……。
ヌーヴォの臨戦過程、体調、追い切りは?
距離も、コースも、左右の回りも異なる桜花賞、オークス、そしてローズステークスで、追い込んだり、中団につけたり、先行したりといろいろな競馬をしながら3、1、1着と安定した成績をおさめてきたのは、能力の絶対値が高いことに加え、競馬が上手であることを証明している。
血統、厩舎、騎手、実績、臨戦過程、体調、追い切りの動き……と、どれをとっても非の打ちどころがない。
今回は、前評判どおりの「一強」、それも、「揺るぎない一強」と見ていいだろう。
伸びしろが期待できる、タガノエトワール。
相手筆頭は、ローズステークスでヌーヴォの2着に食い下がったタガノエトワール(父キングカメハメハ、栗東・松田博資厩舎)だろう。未勝利を勝ったばかりなのに、いきなり重賞で好走した。この底力は、3代母にオールカマーなど重賞を5勝したダイナフェアリーがいる母系から来るものか。ここが休み明け3戦目でもあるし、まだキャリア4戦と、伸びしろが大きいのも魅力である。
ヌーヴォの二冠獲りに待ったをかけるのは、この馬をはじめとする「松田博資厩舎勢」なのか。この厩舎は、JRA・GIを19勝しているのだが、そのうち牝馬で実に14勝を挙げている。
2011年のチューリップ賞まで4戦4勝という圧倒的な強さを見せながら骨折のためクラシックに参戦できなかったレーヴディソールの妹であるレーヴデトワール(父ゼンノロブロイ)と、女傑ブエナビスタの妹のサングレアル(父ゼンノロブロイ)は、どちらも血統だけで勝ち負けしても不思議ではない超良血馬だ。