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北朝鮮に完敗しアジア銀のなでしこ。
依然進まない新世代でのチーム作り。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2014/10/02 12:05

北朝鮮に完敗しアジア銀のなでしこ。依然進まない新世代でのチーム作り。<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

キャプテンの宮間は「もう少しサッカーらしいサッカーをやりたかった」と完敗を認めざるを得ない発言も。

「もう少しボールを動かしたかった」(宮間)

 しかし、その後は日本が前掛かりに攻めてはボールを奪われ、カウンターの危機にさらされるという展開が続いた。試合終了間際には、カウンターからクロスを上げられ、最後は後方から勢いよく走り込んだホ・ウンビョルにヘディングで決められ、1-3にされた。アジア勢に3失点したのは'08年6月のアジアカップ中国戦(1-3)以来だ。

「結果も内容も反省の多い試合だった」と佐々木監督が振り返ったように、気になる点は多かった。

 宮間が反省点を詳述する。まずは、先制された後、ロングボールが多くなってしまったこと。

「日本としてはもう少しボールを動かしたかった。DFラインのところではなく、もう少し高い位置で動かさないと、アジアでは通じてもその先は通じない。ロングボールは、質が高ければ収まった後に厚みをもった攻撃ができるし、効果的ならいいが、そうじゃないボールは自分達には必要ない」

 さらに主将は3失点した守備にも辛辣だった。2点目はオフサイドを掛けにいったがかからず、10番に裏を取られて失点したが、3点目も含めて守備の人数自体は足りていた。日本の頭脳と言える白眉の分析力を持つ宮間は、「北朝鮮のカウンターの質はトップレベルだった。10番は動き出しのタイミングと質が完璧」と認めつつ、こう話した。

「2点目と3点目は、一つは数的優位で一つは同数。新しいメンバーもいる中で、チームとして今回はそこまで練習でたどりついていなかったというのがあるけど、やはり守備力が不足している。もう少し皆で守備力を上げていかないといけない」

今後の成長に期待したい、19歳の増矢。

 守備の要である岩清水梓も「DFとしては失点が速かったので、その後のカウンターをケアしようとしていたがやられた。そこはDFの責任」と唇を噛んだ。宮間は「北朝鮮のカウンターに高さや強さを加えたのがアメリカやドイツ」だという。W杯を見据えたとき、このレベルで3失点しているようでは話にならない。

 もちろん、収穫もあった。今大会の6試合中5試合に先発し、決勝ではフル出場した19歳の増矢だ。大会の総括として、若い選手、中堅の選手に厳しい評価を与えた佐々木監督も、増矢には「北朝鮮相手でも90分間プレーできるんだなと感じた」と言い、今後の成長に期待を寄せた。

【次ページ】 「世代交代とか言っている時期ではない」(川澄)

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