MLB東奔西走BACK NUMBER
「バッティングは常に10割を目指す」
好調でメジャー定着目前の川崎宗則。
posted2014/08/12 10:30
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
メジャー挑戦3年目。
ブルージェイズの川崎宗則選手が、ここ最近、チーム内で存在感を増し続けている。
昨年に引き続き、今シーズンもマイナー契約からスタート。そんな中、6月17日に2度目のメジャー昇格を果たした。
チームに主力選手の故障が相次いだことも重なり、7月11日に右脚ハムストリングの張りで途中交代するまで、23試合連続で先発出場を果たすなど、フル回転の働きをみせている。
昨年もホセ・レイエス選手の長期離脱に伴い、代役ショートとして数多く先発出場してきたが、昨年とは大きな違いがある。
それはバッティングだ。
昨年までのメジャー通算打率は2割1分8厘に留まっていたものの、今年は再昇格直前まで在籍していた3Aで3割5分7厘を記録(6月に出場した10試合)。メジャーに昇格してからも安定した打撃を披露している。
7月の月間打率は自身最高の3割7厘(20試合以上出場選手の中でチーム3位)を記録し、シーズン後半戦に入ってもずっと2割8分前後の高い打率をキープしている。
「実際のところカワサキは本当にいいプレーを続けている。堅実な守備を披露しているだけでなく、バットも振れておりチームのために重要なヒットも放っている。後半戦に入ってもチームにとって大きな要素になっている」
ジョン・ギボンズ監督はここまでの川崎の活躍を手放しで賞賛している。
少しでも“やり返す”ために……川崎が考えたこと。
では川崎自身は、今シーズンの打撃についてどう考えているのだろうか。
「やられている回数が多いからですよ。1年目、2年目、そして3年目の今年もです。人間誰だって、こうやってやられているんだから、ちょっとこうしてみようと思うもんです。
2012年はこういう球でよくやられたと、そして2013年はこうしてやられた。じゃあ2014年はどうしようか、そうやって少しずつ(やり返す)確率を上げられるようにやっていく。その結果なんです。
去年よりその確率が少しだけ上がっているとは思いますが、自分の中ではまだまだやられている印象の方が大きいんです。
それは何故かというと、やられるのが多いのがバッティングだから。なので、バッティングに関して突き詰めるのは僕は好きじゃない。野球はあくまでトータル。守備、走塁、身体の状態も含めて考えて、バッティングだけに囚われてはいないです」