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カーショーと上原、田澤の共通点。
MLBが重視する「初球にストライク」。
posted2014/08/11 10:30
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Getty Images
ひょっとしたら、このカードが今年のワールドシリーズの顔合わせになるかもしれない――。そんな期待がロサンゼルスで高まっている。
今季好調のドジャース対エンジェルスの「フリーウェイ・シリーズ」を現地で取材したが、連日超満員、州知事やセレブリティが顔を見せる華やかな対戦となった。試合の中身も充実で、両チームともポストシーズンに向けて視界は良好、といったところだ。
さらにロサンゼルスでは、まったく別のトピックで驚きがあった。現地に拠点を置く日本人記者から、意外な選手の名前を耳にした。
“Arihara”である。
広陵高校(広島)時代は、3年生で甲子園に春夏連続出場。卒業後は早稲田大学に進み、今年春の六大学野球リーグ戦では5勝をマークし、今年のドラフト1巡目の有力候補のひとり、有原航平だ。
身長、球速とともに重視されたポイント。
実は今年の3月、早大がアメリカ遠征した際に、有原は南カリフォルニア大学(USC)相手に好投している。その試合を見たメジャー各球団のスカウトが、有原の魅力を次のように分析したという。
「上背(身長187cm)」
「セットポジションから95マイル(およそ153km)を投げられる」
「ストライクをどんどん取っていける」
スカウトたちを納得させるに十分な投球を披露したのである。
そしてこの評価ポイントのなかに、現在のメジャーリーグの潮流が見て取れる。
ストライクをどんどん投げ込んでいく能力が、成功するための要因となっているのだ。