甲子園の風BACK NUMBER
関東優位の流れに近畿は抗えるか。
順調な大阪桐蔭と不穏な龍谷大平安。
posted2014/08/04 10:50
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
NIKKAN SPORTS
35年ぶりの近畿決戦に沸いた今春の選抜大会決勝は、龍谷大平安が履正社に6-2で勝ち、初優勝を飾った。
では35年前の'79年はどんな対戦だったのだろうか。牛島和彦、香川伸行の超高校級バッテリーを擁する浪商(現大体大浪商)を箕島が8-7で破り選抜優勝を成し遂げたというのがその試合である。箕島はその後、夏の選手権で池田を4-3で下し、史上3校目の春夏連覇を達成している。
箕島の春夏連覇の前年、'78年選手権のベスト4はPL学園、高知商、中京、岡山東商と西日本勢の優位は動かない。'79年は箕島、池田、浪商、横浜商と3校が西日本勢、'80年は横浜と早稲田実の首都圏決戦となり関東の意地を見せたが、4強には近畿勢の天理、瀬田工がしっかりと顔を見せている。
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その翌'81年の決勝戦は2年ぶりの近畿決戦、報徳学園対京都商の顔合わせとなり報徳学園が初優勝という具合に、この頃の近畿勢は本当に強かった。それがこの10年ちょっと、勢いが弱まっている。
続いた関東勢の優位を覆す流れは本物か。
近畿勢の決勝進出が途絶えた'03年以降、優勝校は関東4、北海道2、近畿2、九州2、東海1と関東勢が抜けている。ベスト4に進出した44校で見ると、関東12、東北6、近畿6、九州6、東海4、中国4、北海道3、四国2、北信越1と、やはり関東勢が圧倒している。
選抜大会でも関東勢の優位は変わらない。同じく'03年以降の12年間、優勝は関東3、九州3、東海2、近畿2、中国1、四国1と拮抗しているが、準決勝進出校は関東12、近畿10、東海7、九州7、四国5、東北4、中国2、北信越1と関東勢の優位は動かない。
そういう状況の中で、選抜で近畿決戦が35年ぶりに実現したのである。この勢いはこの夏も続くのだろうか。今大会の近畿地区の出場校は次の通りだ。
滋賀=近江、京都=龍谷大平安、大阪=大阪桐蔭、兵庫=神戸国際大付、奈良=智弁学園、和歌山=市和歌山