スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
青木宣親を苦しめるチームの「思想」。
出塁率という最大の武器が足かせに?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2014/07/25 10:30
出塁率は青木宣親の最大の武器だったが、今季はそれにこだわるあまりバッティングが窮屈になっている。下位の打順で彼本来の思い切りを取り戻して欲しいものだ。
下位に入ったことで、思い切りを取り戻せるか。
いまの青木に必要なものは、チームの戦略を重視する打撃よりも、自分らしい思い切りのいい打撃を取り戻すことではないか。
塁に出すとうるさいから、投手はストライクを投げる。そうすると、フェンス際までボールを運ぶパワーが潜んでいる……。そんな好循環を期待したい。
実は、青木好調のバロメーターははっきりしている。
・浅いカウントから、積極的に打って出る
・ライト方向へ強い打球が飛ぶ
もしかしたら、ロイヤルズの出塁率重視の姿勢が不運にも青木の長所を消してしまったのかもしれない。
それでも、下位に入ったことでかえって思い切りのいいバッティングが出来るのではないか――。私はそう期待しているのだ。